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  L.A.コンフィデンシャル  
2002.10.30.Wed / 20:28 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

この映画には、3人の警官が登場します。
ですが、この3人が主人公であるとは、私には思えませんでした。
この映画の主人公は、主人公とは呼べないかもしれませんが、
いわゆる、「警官魂」なのではないかと感じました。
それがこの骨太な映画を支えているように思えました。

話は、とあるカフェの惨殺事件に、元警官が巻き込まれた事から始まります。
「ナイト・アウルの虐殺」と呼ばれるこの事件は、多くの人間が死ぬ、
かなり得意というか異様な雰囲気を漂わせていました。
しかし事件は急転直下、あれよあれよという間に解決してしまいます。
(本当は、解決していないのですが、、)
そしておとづれる日常生活。
平和な中にも、彼ら三人は、「何かがおかしい」「何かが足りない」と感じています。
(このあたりの、緩急のつけ方、事件の異様性の表現が絶妙。)
そして、ついには巨悪の存在に気づくわけです。

この三人の警官は、決して正義の警官というわけではありません。
出世のために仲間を売ったり、女性を傷つける犯人を過剰防衛で殺したり、
捜査情報をリークして小銭を稼いだり、、

しかし、巨悪を、しかも「ロロ,トマシ」にあらわされている、
「罪を犯しても、それを償わない奴」
「法の網や警察の目を欺き、逃げ延びる奴」、
それを目の前にした時、それまでの生き方を変え、敢然と悪に戦いを挑みます。
せっかくの手柄を捨て、愛する女性をレイプされた怒りを忘れ、小銭稼ぎの元であっても捜査する、、
そして、互いの価値観や生き方の違いで反目しあっていた3人が、お互いの心意気を理解します。

これが、まさに私が感じた「警官魂」です。

そして、「個人プレイ」が十分通用し、押し通せた時代、
それが、登場人物の衣装や髪型、この映画のいたるところから、つたわってきます。

最後には、それまで仲が悪かった二人が、
お互いを理解し硬い握手をして分かれるあたり、
しかし、二人とも生き方を変えていないあたりが、
この映画を「骨太な映画」と感じた理由です。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
2002年の記事とは、さすがヤンさんのブログ、年季が入ってますね~

私がこの映画に魅せられた部分、ヤンさんと全く同じです!
個人プレイをやって価値観や生き方の違う男達が、
ロロ・トマシに対しては許せないと一致するんですよね。

愛する女性をレイプされた相手と手を組むなんて
考えられないんだけれども、
仕事をなし終えた後も、しっかり握手する。

警官魂が共鳴し合った、シビれる映画でしたね。

2011.01.31.Mon / 10:41 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

 なんか、クセがある本物の男が出てくる映画って感じですよね。価値観や生き方が違っても許せないものは共通ってのがしびれます。そして、相手に共鳴しても、譲れない生き方がある事も。

 これは、もう10年くらい前に見た映画だったのか、、、もう一回見直してみたくなりました。

 それじゃ、また。

2011.01.31.Mon / 23:31 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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久々に観たけど、めっちゃカッコよかった~~!! 密度の濃い男の世界に、ゾクゾクきた~★ 監督:カーティス・ハンソン  製作:1997年 アメリカ 原作:ジェームズ・エルロイ 出演:*ラッセル...
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