アンダーワールド  
2005.06.24.Fri / 23:12 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




ヴァンパイアとライカン(狼男)が人知れず、
アンダーワールドで抗争を繰り広げるゴシック・サイバー・アクション。
色彩芸術も素晴らしく、主役を演じたベッキンセールがとても美しい。
ただ、映画的には必ずしもヴァンパイアとライカンである必要はなく、
マフィアや宇宙人に置き換えても成立するようなアクション映画の気がしました。

まだ人間であったころに、家族を無残に殺されたセリーン。
復讐のため、ライカンを討つための女戦士として戦っています。
しかし、復讐を成し遂げたとしても
「戦士にとって、それは一つの時代の終わり。
 古い武器のように我々は無用になる。
 それで生きる私には辛い。」
ヴァンパイアは完全勝利を目前としているにもかかわらず、
すくなくとも彼女からは、勝利を前にした歓喜は感じられず、
どちらかといえば、生きがいの喪失、厭戦気分を持っているような印象を受けました。

そんなセリーンが、マイケルという医師を助けます。
お約束の展開と言ってしまえば、そのとおりなのですが、
なにか不思議と納得できる気がしました。それは、
セリーンがマイケルに好意を持ったとか、ライカンに狙われた存在とか、
2つの種族の戦いの命運を握っているとか、
理不尽にも1000年に渡る戦いに巻き込まれたとか、
そのあたりの境遇が自分に似ているとか、、
さまざまな理由はあるようなのですが、
それ以上に、セリーンがマイケルを助ける理由は、
彼女の厭戦気分とは無関係ではない気がしました。
マイケルが医師であり、冒頭の戦いの中、意味無く撃たれた女性を助けたり、
追われている身でありながら、セリーン自身を助けたりとか、
今までの自分にない、価値観や行動理念に、何か希望のようなものを感じたから、
そんなような気がしました。
ヴァンパイアの長老の一人、
ヴァンパイアの平和を守るためなのか、
本当は自らの権力を守るためなのか、
かたくなに、2つの種族の交わりを忌み嫌います。

ライカンのリーダー、ルシアン。
二つの種族を掛け合わせることが彼の復讐。
そして、奪われた最愛の妻、への弔い。
しかし、彼の思惑以上のものがラストにもたらされます。
それは、2つの種族の希望なのかもしれません。


この映画は、どちらかといえばアクション映画なので、
私がここで述べたことなど、考えなくても十分に楽しめるとは思いますが、
2つの対立する勢力に、果たして平和はもたらされるのか、
未来永劫闘い続けることが、彼らの宿命なのか、、、、
彼らの悲哀を感じながら見れば、また違った印象を味わえる映画かも知れません。

セリーンを演じたベッキンセールがとても素晴らしい。
氷のような冷酷さと、それ故の強さ。しかし、どこか、戸惑い、それ故の弱さ。
セリーンの矛盾する存在を見事に表現していたように思えました。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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~この闘い,本能か・か――~人間界の未知なる世界“アンダーワールド”で,長い年月続く吸血鬼ヴァンパイアと,狼男族ライカンの壮絶で血生臭い戦いを背景とした映画.ヴァンパイアとライカンの2種族の争いというなかなか斬新な設定で興味が沸...
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