ヴィレッジ  
2005.10.27.Thu / 22:20 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




この感想には、ネタバレが含まれます。
ですから、下記は映画鑑賞後に、読んでいただければ幸いです。
この映画を楽しみたいと思った人は、ぜひ、そうしてください。


人生には多くの矛盾が含まれている。
神に背くことなく、誠実に生きてきたはずなのに、突然襲う悲劇。
ゆえなく失われた大切な人々。
しかし、そんな矛盾が待ち構えていても、
人には未来を切り開く勇気がある。
そんなことが、見え隠れする映画でした。

深い森に閉ざされた村。
お金という概念がなくとも、多くを共に分かち合い、
争うこともなく、平和に暮らす、まさに理想郷のような村。
しかし、
忌まわしくも邪悪な外界との関係を、
断ち切ることで成り立っている村。
恐怖と契約により成り立っている村。
遥か昔に起こったとはいえ、突然の喪失に心を塞ぎ、
未だに立ち直れずにいる村の長老達。
すべての忌まわしい過去を忘れるわけではなく、
しかし、外界と交流するわけでもない、
未来を捨ててしまった長老達が納める村。
そして、助かるはずの命の犠牲のもとに成り立っている村。
だからこそ、平和のなかにも、
この村は、いつも、過去に囚われた悲しみに、
覆われているのでしょう。

恐怖と契約、村人が恐れている森の怪物。
長老達が忌み嫌い、拒絶し、呪っている私達の住む外界。
彼らが持つ両者のイメージは、なんだかとてもよく似ている気がします。
自らの未来に対する夢に、口を閉ざしてしまう、
ルシアス・ハントとエドワード・ウォーカー。
彼らが口を閉ざす理由は、
この村が、悲しみに覆われているのと、
未来を捨ててしまっていることに、
無関係ではないような気がしました。

未来が欲しい。外界には未来がある。
外界に行けば、助からなかった命にも、
これからは未来を与えることが出来るかもしれない。
ルシアスの言葉にも、耳を傾けなかった長老たち。
しかし、死に行く恋人を救いたい、
そして娘であるアイヴィーの未来を守りたい。
ついにアイヴィーに、森に分け入ることが許されます。
これは、長老達が未来へのささやかな一歩を歩み始めたように
私には思えました。

犯罪はどこから生まれるのでしょうか?
お金からなのか。人の欲望からなのでしょうか?
しかし、それら、すべてを断ち切った村のはずなのに、
起こってしまう犯罪、殺人事件。

邪悪に満ち溢れているはずの外界。
しかし、アイヴィーは、そこの住人の親切に助けてもらいます。
アイヴィーの誠意と愛が、青年に通じたからなのでしょう。
当然ですが、彼らが邪悪とし、拒絶しきた外界といえども、
人を助ける者は存在するのです。

しかし、最後には、今を維持しようとする長老達。
だが、アイヴィーは彼と彼女の未来を村に持ち帰ります。

突然の喪失による痛手を、どのように補えばよいのでしょうか?
この世に、魂の救済はあるのでしょうか?
この世界をスケープゴートとし、呪い、拒絶すればよいのでしょうか?
しかし、それでは、永久に未来は訪れず、
新たなる犠牲者を生むことになってしまいます。
失われたものにとらわれず、今、目の前にある希望と愛に導かれること。
それが魂の救済につながってゆくのではないのでしょうか。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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