雲のむこう、約束の場所  
2006.05.25.Thu / 22:36 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




青年時代の憧れとその喪失。
憧れを自ら葬ることで、
そして、あの日の約束を果たすことで、
憧れに決別して、憧れを超えて、生きてゆく。
なんでも出来ると信じていた。
どんな未来も、夢も、叶うと信じていた。
さまざまな未来を生きることが出来ると信じていた、あの日。
そんな夢からの目覚め。
青年時代との決別を描いた映画。


ヒロキには、憧れるものが2つあった。
クラスメイトのサユリと雲の向こうにそびえる塔。
そして、あの塔が大事な約束の場所になった、あの夏の日。
その日が永遠に続くと信じていた、
なにも怖いものがなかった、あの日。
しかし、世界は自分達を簡単に裏切る。
サユリが消え、突然の喪失に戸惑う二人。
塔を破壊し、約束にけりを付けようとするタクヤ。
一度は塔から逃げたが、
それでも約束を果たそうとするヒロキ。
それは、ともに、永遠には続かなかった
あの夏の日と決別するために。

二人の決断と行動が、サユリの夢の中にある、
可能性として存在していた多くの未来、平行宇宙を消してゆく。
それは、二人が、いろいろな可能性の中から、
約束の場所が存在しない未来を、選択したことと、
無関係ではない気がした。

そして、あの夏の日と決別したことで、
あの日の想いも、サユリの中から失われてゆく。
それでも、過去と決別し、
選択した未来を生きてゆくのだろう。

しかし、私達は知っている。彼らの未来を。
映画の冒頭、ヒロキは一人で未来を生きている。
三人は、ともに別々な人生を歩んでいる。
墓参りをしているヒロキから、
もしかしたらサユリは死んでしまったのかもしれない。
そんな彼らの未来を、私達は知っている。

それでも、生きてゆく。
多くの大切なものを失いながらも、生きてゆく。
約束の場所のない世界を。


雲のむこう、約束の場所@映画生活
* テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画 *
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