メメント
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この映画では、「前向性健忘」という病気を持った人物が主人公になっています。
私は、この病気についてはまったく知りません。
多分世の中には、この病気に苦しめられている人、
身内にこのような病の人間がいるかもしれません。
私がこのページを記述する理由は、映画の感想を書くためであり,
このような方々を批難、中傷するためではありません。
ですから、文章中に、気になるような表現を見つけられても、
本意は映画の感想を述べることにあることを御理解願います。
この映画はかなり特殊な作られ方をしており、観客が主人公であるレナードと
同じ感情を容易に有することができます。
見せ方が優れているという一点だけでもたいした映画です。
さらには、最後には思いがけない真実が待ち構えています。
それは、いろいろな意味での逆転です。
「記憶できない」のではありませんでした。実は「忘れたい」のでした。
「利用されていた」のではありませんでした。実は「利用していた」のでした。
「妻のための復讐」ではありませんでした。実は自分のためでした。
「事故の前の自分は覚えている」のではありませんでした。
自分にとって都合がいい記憶を持っているだけです。
「抜けだせない」のではありませんでした。実は望んではまり込んでいるのです。
「かわいそうな境遇」ではありません。彼は現状を望んでいるのです。
実験的な映画ですが、後半の10分間、私はこの映画の本当の意味を知りました。
それは、失われたものがあまりに大きすぎて、現実逃避をしている悲しい男の話です。
失われた過去は取り戻せません。
しかし彼が求めるものはまさにそれであり、
一生手に入らないこともわかっています。
そうであるならば、真実に目を背け、過去を微妙にすりかえて、巧妙に自分をだまし、
一生この居心地のよい復讐劇を続けていよう、、
この映画では、一見するときわめて特殊な状況を描いているようですが、
実は誰にでも経験があることなのではないのでしょうか?
あなたは、自分に都合の悪いことを忘れてはいませんか?
あなたは、自分に都合のよいように記憶をすりかえてはいませんか?
あなたは、真実と向きあって生きていますか?
- [2003/02/02 23:45]
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コメント
その通り
さすが、鋭いヤンさんは、面白い考察を書かれてますね〜
私は、この映画の斬新な作りにばかり、目が行ってましたが、
「忘れたい」「利用したい」「自分のため」・・・
など読んで、その通りだと思いました。
『この主人公は、きちんと生きてない。かわいそうだ』という思いはあったんですが、
それを、私は上手く言葉に表現できませんでした。
でも、ヤンさんの感想を読んだら、
スッキリできました。
YANさん、こんばんわ。
すっきりしていただいたようで、
こちらとしてもうれしい限りです。
面白い考察、というのも、うれしい表現です。感謝感謝。
本当に斬新な映画でしたね。
時系列で見てしまうと、なんてことのない映画なのですが、上手に魅せている映画でしたね。
表現する内容と、表現する方法、その両方が揃った映画なのかもしれません。
それじゃ、また。
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