2006.06.01.Thu / 22:24
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
H・G・ウェルズの有名な同名原作の再映画化された作品です。
原作は遠い昔に読みましたが、ほとんどストーリーは失念。
最初の映画化作品は未見です。
原作の雰囲気を大事にしつつ、
タイムマシンの作成の動機に、アレンジが加えられ、
原作にはなかった(と思う)テーマが加えられていましたが、
残念ながら、原作とアレンジとの、どっちつかずの映画、
となってしまったような印象を持ちました。
アレンジならば、もっと徹底的にやれば、
面白くなっただろうと考えると、とても残念な作品です。
幸せの絶頂で恋人を不慮の事故で失ってしまったアレクサンダー。
彼は、恋人を取り戻すためにタイムマシンを開発します。
しかし、恋人は取り戻すことは出来ません。
それは、恋人の死も、今の自分を形成している一部だからなのでしょう。
どんなに悲しく、悲惨な出来事であっても、
それは、すでに自分の一部。だから、取り戻すことは出来ない。
取り戻すことは、すなわち、今の自分の存在を、
否定することだからなのでしょう。
悲しい出来事とはいえ、彼はそれを動機にして、
すばらしい発明をしました。
やはり、それも、すでに彼の一部。
取り返すことはできないのでしょう。
私達もまた、自分の人生に「もし、、、」を考えがちです。
しかし、それは取り返すことが出来ない、
はかない希望なのでしょう。
人は誰でも過去に旅立てる、それは思い出の世界へと。
そして、人は誰でも未来に旅立てる、新しい希望とともに。
最後には、新しい出会いとともに、
未来に生きることを選択したアレクサンダー。
彼にとっての4年間と、この旅は、
新しい出発をするための心の準備期間だったのかもしれません。
タイム・トラベルでのCG、移りゆく自然がとても美しい。
恋人のペンダントをタイムマシンから落としてしまい、
それを、なすすべなく、見つめるアレクサンダーの哀しさ。
ラストの、80万年前と80万年後が重なって表現されるシーン、
絶望を静かに受け入れた、穏やかな希望。
でも、モーロックとエロイは登場させなくても良かったのでは?
番外:
徹底したアレンジということで、
下記のような展開は、いかがでしょうか?
主人公は、幸せの絶頂で恋人を不慮の事故で失ってしまい、
タイムマシンで、恋人を取りもどそうとします。
しかし、1回目は失敗、2回目も失敗。
何度やっても失敗してしまいます。
答えを求めて、未来へ旅立ち、月の崩壊を目撃します。
崩壊後の荒廃した世界に降り立つ主人公。
多くの人間はタイムマシンを信じませんでしたが、
一人の科学者がそれを信じます。
そして、月の崩壊を防ぐべく主人公と共に、
月の崩壊直前の世界へと、タイムトラベルをします。
しかし、1回目は失敗、2回目も失敗、
何度やっても、月の崩壊は防げません。
しかも、月の崩壊前の人々は、科学万能を信じ、享楽主義的で、
目の前に迫る危機にも、耳を傾けようとはしません。
最後には、あきらめざるを得なかった二人。
その科学者もまた、月の崩壊で失ってしまった家族を
取り戻したかったのでした。しかし、ついにそれは果たせませんでした。
最後に二人は、科学者自身の存在が、過去を変えることが出来ない要因に、
なっていると気づきました。
であるならば、科学者を伴わなければ、
月の崩壊を防ぐことは出来るかもしれません。
しかし、それを実施してしまえば、科学者自身の世界の存在が、
消えてしまう恐れもあります。
「それでも構わないから、どうか防いでくれ。」
その願いをかなえるべく、主人公は一人でタイムトラベルをします。
しかし、その行き先は自分の元いた世界。
たとえ、一度は月の崩壊を防げても、未来に同じことが起こらないとは限らない。
ならば、今から警告を鳴らそう、科学万能や享楽主義に対して。
以上、長文に付き合っていただき、ありがとうございます。
しかし、それは取り返すことが出来ない、
はかない希望なのでしょう。
人は誰でも過去に旅立てる、それは思い出の世界へと。
そして、人は誰でも未来に旅立てる、新しい希望とともに。
最後には、新しい出会いとともに、
未来に生きることを選択したアレクサンダー。
彼にとっての4年間と、この旅は、
新しい出発をするための心の準備期間だったのかもしれません。
タイム・トラベルでのCG、移りゆく自然がとても美しい。
恋人のペンダントをタイムマシンから落としてしまい、
それを、なすすべなく、見つめるアレクサンダーの哀しさ。
ラストの、80万年前と80万年後が重なって表現されるシーン、
絶望を静かに受け入れた、穏やかな希望。
でも、モーロックとエロイは登場させなくても良かったのでは?
番外:
徹底したアレンジということで、
下記のような展開は、いかがでしょうか?
主人公は、幸せの絶頂で恋人を不慮の事故で失ってしまい、
タイムマシンで、恋人を取りもどそうとします。
しかし、1回目は失敗、2回目も失敗。
何度やっても失敗してしまいます。
答えを求めて、未来へ旅立ち、月の崩壊を目撃します。
崩壊後の荒廃した世界に降り立つ主人公。
多くの人間はタイムマシンを信じませんでしたが、
一人の科学者がそれを信じます。
そして、月の崩壊を防ぐべく主人公と共に、
月の崩壊直前の世界へと、タイムトラベルをします。
しかし、1回目は失敗、2回目も失敗、
何度やっても、月の崩壊は防げません。
しかも、月の崩壊前の人々は、科学万能を信じ、享楽主義的で、
目の前に迫る危機にも、耳を傾けようとはしません。
最後には、あきらめざるを得なかった二人。
その科学者もまた、月の崩壊で失ってしまった家族を
取り戻したかったのでした。しかし、ついにそれは果たせませんでした。
最後に二人は、科学者自身の存在が、過去を変えることが出来ない要因に、
なっていると気づきました。
であるならば、科学者を伴わなければ、
月の崩壊を防ぐことは出来るかもしれません。
しかし、それを実施してしまえば、科学者自身の世界の存在が、
消えてしまう恐れもあります。
「それでも構わないから、どうか防いでくれ。」
その願いをかなえるべく、主人公は一人でタイムトラベルをします。
しかし、その行き先は自分の元いた世界。
たとえ、一度は月の崩壊を防げても、未来に同じことが起こらないとは限らない。
ならば、今から警告を鳴らそう、科学万能や享楽主義に対して。
以上、長文に付き合っていただき、ありがとうございます。