オールド・ボーイ 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




ネタバレ満載なので、
下を読むのは、映画鑑賞後にお願いします。



まったく、とんでもない映画です。
勢いだけで押す映画であり、しかし、
緻密に組み立てられているストーリー。
あっと驚くどんでん返しであるにもかかわらず、
爽快感とは程遠い、おぞましい真相。
野蛮であり、しかし繊細。
非情の様でいて、深い愛憎と哀しみ。
面白い映画でありながら、再度見るには勇気が必要で、
なかなか、人には進めることが出来ない、
とんでもない映画です。


復讐に燃える二人の男。
妻を、家族を、自分自身の十五年を奪われたオ・デス。
最愛の人を奪われたイ・ウジン。

人は、どんなひどい事でも、
どんなに、おぞましい事でもやってしまうのだろう。
それは、お金の為、憎悪の為、復讐の為、愛する人の為に。
想像力が無い人は、いくらでも残酷になりうる。
しかし、これは逆なのではないのか?
人は想像力があるから、いくらでも残酷になりうる。
でも、別な痛みが、その人のまともな感覚を麻痺させているから、
いくらでも、残酷になることができるように感じた。
この、すさまじさ、描いてはいけないものでも、描ききってしまうのは、
やはり、韓国映画だからなのだろうか?

そして、いろいろな意味が込められたイ・ウジンの復讐。

「オ・デスは口数が多すぎるんです。」
決してもらして欲しくはなかった秘密。
しかし、オ・デスは簡単に友人に告げてしまう。
そして、簡単に忘れてしまう。
それは他人事だから。

「笑う時は世界と一緒、泣く時はお前一人。」
笑いは簡単に共有できる。
しかし、哀しみは、決して共有できない。理解もされない。
それも、やはり他人事だから。
しかし、他人事が他人事でなくなった時、
オ・デスは、その秘密の重さを、その哀しみを、
骨身に染みて知ることになる。

「砂粒であれ岩の塊であれ、水に沈むのは同じだ」
姉が死んだのは自分の責任だ。そんなことは知っている。
しかし、犠牲という名の祭壇に挙げられる血が多ければ多いほど、
自分の乾きも癒されるのだろう。

「俺たちはすべてを知って愛し合った。お前たちはどうだ」
オ・デスがミドの正体を知ってしまった時、
イ・ウジンに懇願したのは、娘の命ではなく、愛する人の命。
だからこそ、知ってしまった後にも関わらず、
その関係を断ち切ることは出来なかった。
催眠術にまで頼り、二人の関係を選んだオ・デス。
姉と寝たんだとイ・ウジンを責めた言葉が、
そのまま自分に突き刺さることになろうとは、、、

「私は獣にも劣る人間ですが、
 生きる権利はあるんじゃありませんか?」
許されない二人の関係。それでも、愛する人とともに生きたい。
この問いかけは、
世の中に生存を許して欲しいという、背徳者が背負った十字架。

イ・ウジンはきっと、自分の最大の理解者を作り上げたかったのだろう。
自分が、どんなに姉をいとおしく想ったのか。
自分が、どんなに孤独を感じて生きてきたのか。
それを他人に理解してもらいたかったのだろう。
自分の哀しみは、ここまでしなければ、他人には理解してもらえないのか?
深い哀しみの果てに、哀れみさえも感じる映画。

コメント

また来ました

ヤンさん、これはすさまじい作品でしたよね。とても印象に残りました。

ラストのオ・デスの選択について、私の解釈と正反対ですね。
私の場合は、自分の希望を入れ込んで、
オ・デスは父親という立場を選んだと思ったんです。
一度関係を持ってしまった事に対して、「獣にも劣る人間」と言ったのかと。

でもヤンさんの解釈も理解できます。
父娘でなく、愛する二人として生きる道を選んだというのも、
それもあるなあと納得できます。

これは原作で、ハッキリ結論が出てるんでしょうか?

そうですか。

YANさん、こんにちは。

私は、オ・デスが父親という立場を選んだというのは、思いもしませんでした。
 イ・ウジンの復讐が、オ・デスに自分と同じ想いを味あわせることだからであり、その目的は、自分の最大の理解者を創ること、なんじゃないのかな、と理解したもので、親の立場に戻れたのなら、その後、オ・デスは過去に苦しんでも、未来には苦しまないんじゃないのかな、と思えたものですから、、、

 ただ、YANさんの言うことも一理あると思います。というか、私には思いつきもしませんでした。(^。^;)。原作は本当はどうなんでしょうかね?

それじゃ、また。

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オールド・ボーイ

監督:パク・チャヌク           製作:2003年韓国 出演:*チェ・ミンシク *ユ・ジテ *カン・イジョン お前は誰だ!...

  • [2008/04/28 17:45]
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