インファナル・アフェア  
2006.06.15.Thu / 22:29 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




まったく立場の正反対な男の人生が交わる、
その瞬間に魅せる、ままならない人生の哀しさ。
そんな、ままならない人生においても、
しかし、自分の良心に恥じることなく生きようとする男たちの生き様、
その魅力が光る映画。
そんな重たい題材を扱いながらも、サスペンス溢れる超一級の娯楽作品。
とても、すばらしい映画でした。

この映画には、2つの続編があるそうですが、私は未見です。
いつか見てみたいのですが、見たら、この感想も変わるかもしれません。
その時は、ご容赦のほどを。
警察でありながら、麻薬組織に身を置くヤン。
自らの身分を偽り、したくもない犯罪に手を染め、
神経衰弱ぎりぎりの生活を余儀なくされます。
しかし、それでも彼が正気を保てていたのは、
二人の敬愛に値する上官の存在と、
自分が警察官であることの誇りを忘れていなかったからだと、
私には思えました。
最初の上官の葬式に、一人敬礼を送る姿と、
ウォン警部の死を、驚きと哀しみの目で見つめる眼差し、
そして、リー先生に素性を語る姿から、
私には、そんな風に思えてなりませんでした。

警官として最前線で活躍し、しかし、実は麻薬組織の潜入スパイであるラウ。
表の人生も裏の人生も、順調そのもの。
しかし、正義の側に身を置く、その誇りと高い志を知り、
自分にとって、もしかしたら尊敬に値しただろう上官の死を知ることで、
自らの人生を、自分の手によって決めます。

そんなラウを裁こうとするヤン。
ラウが、チャンスをくれ、と言ったのは、
今の地位や幸せな生活を捨てたくはないから、だけではないのでしょう。
今までは不可能であった、しかし、今は自分で自分の生き方を決めたばかり。
自分で決めた自分の生き方を、捨てたくはなかったのでしょう。

この映画のタイトルは無間道。
無限の苦しみが果てなく続く地獄の意味だそうです。
それは、潜入した者たちが、いつ自分の素性がばれるのか、
神経衰弱ぎりぎりの生活をしていたことを意味することなのかもしれません。
しかし、私には、これからのラウの生き方を意味しているようにも思えました。
彼が罪人であることを、妻は、そして、なによりも自分が知っています。
逃れることのない罪の意識。
ヤンを殺した同僚を、撃ち殺した時の、
ラウの心情は如何ばかりだったのでしょうか?
哀しみ、怒り、絶望、それとも喜び。
出会い方が違っていたのなら、もしかしたら親友になれていたであろう二人。
ラウにとっては、憧れの対象となっていたヤン。そんな彼の死。
ラウがどんな表情で拳銃を撃ったのか、
なかなか、興味深いものがあります。


主役二人の存在感がすばらしい。
そして、トニー・レオンが時折見せるやさしい笑顔。
映画の途中、仲間が、
「兄貴が、マッサージに行っていたのは、親分には内緒にしておいたから。」
彼は、ヤンが潜入捜査官であったことを、知っていたのか、知らなかったのか。
しかし、そんなことを超えて、彼はヤンを慕っていたのだと、
そんな風に思えました。
ヤンが笑顔を忘れなかったのは、やはり、警官としての誇り、
悪に対峙し、正義を実行している誇りを、
忘れていなかったからなのだろうと思えます。
そして、そんな笑顔が、彼を信頼させたのかもしれません。

脇を固める役者、特にウォン警部を演じたアンソニー・ウォンと、
麻薬組織のボスを演じたエリック・ツァンの見事な存在感。
続編も楽しみな映画です。

無間道。それはもしかしたら、ままならない人生そのもの。
そんな深い人生観をも感じさせてくれる、素晴らしい映画でした。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.396 / タイトル あ行 /  comments(2)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from ガオ -

こんばんは。お久しぶりです。
『インファナル・アフェア』を初食いしたと聞いたので
さっそく飛んできてしまいました♪
アタシは、この映画のヤンたんに
思いれ度が深すぎるせいか
どうしてもラウに対しては
冷たい目で観てしまうのよ(笑)

「無間道」は、生き地獄なんですよね。
なので、悪いやつは死ねないんです(謎)
終極無間のレビューも楽しみにしてますね♪

2006.10.21.Sat / 00:17 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

この映画でのヤンたんというか、トニー・レオンさんは、本当にすばらしいかったですよ。ガオさんの思い入れの深さも納得です。私的にはラウも、そこそこだったのですが、無間序曲では、いまいちだったなあ。終極無間は、どうなんでしょう。楽しみです。
アンソニー・ウォンとエリック・ツァンもよかったのですが、個人的にツボは実はキョン。スコセッシ版でも出てきて欲しいなあ、マークに演じろとはいえませんが、、、


それじゃ、また。

それじゃ、また。

2006.10.23.Mon / 22:23 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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