初恋  
2006.08.17.Thu / 22:16 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




すべての周りの人々に、
嫌われ、拒否されてきた少女が、
自分の居場所を見つけ、
しかし、それを時代の流れの中に失ってゆく。
そんな痛みを描いた映画。


孤独と呼ぶには、あまりに過酷な境遇。
母親に捨てられ、
自分の周りの他人からは、嫌われ、否定される。
自分の居場所すらなかったみすずが、
やっとジャズ喫茶Bに、自分が居ても良い場所を見つける。

そこの仲間達も実は境遇は似たり寄ったり。
世間から、体制から、嫌われ、ここにしか居場所がない彼ら。
彼らが体制を憎む理由は、体制が彼らの存在を拒否しているからだろう。
学校でおとなしく勉強し、社会に出てからは真面目に働くという規格から、
大きく外れている彼ら。
三億円強奪を計画する、みずずとキシ。
世界を変えるこの計画に、キシが選んだのはみすず。
理由は単純。
免許を持っていなくて、それでも車もバイクも運転できるから。
女子の高校生ならば、決して疑われることはないから。
しかし、多分、それ以上の理由がそこのにはあるのだろう。
初恋をした、しかし、それは告白はしない、できない。
ならば、共犯者として生涯の秘密をともに持ちたい。
そんな想いからなのだろう。

3億円強奪には成功したが、しかし、体制を変えることは出来なかったキシ。
そして、消えてゆく仲間達。

キシがみずすに告白できなかったのは、
その瞳を汚したくなかったから。
リョウが、 ユカを追わなかった理由は、
自分が彼女を幸せに出来るとは思わなかったから、なのだろう。
体制に拒否されている彼らには、そんな力はないからだ。
それは、彼ら自身が十分知っている。
しかし、彼女たちが求めているのはそんなことではない。
もう、一人になるのはいやだ。
しかし、一人になってしまった彼女たち。
心に大きな穴を開けたまま、生きてゆくのだろう。
その空白こそが、彼ら過ごした時間が幸せであったという唯一の証。
そんな痛みも時代の中に飲み込まれてゆく。
あの時代のあの場所にしか存在を許されなかった彼ら。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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