阿弥陀堂だより  
2006.10.26.Thu / 22:01 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




美しい自然、美しい人々の営み。
そして、自然を、あるがままに受け入れ、
あるがままに感謝する、人々の生きる姿勢。
予定調和的なストーリーが、ゆったりと流れるものの、
まったく飽きることがなかった映画。

都会での多くの死に、
明日を生きる力を吸い取られてしまった、美智子さん。
流産を経験し、ついには、パニック障害をも患ってしまいます。
病気療養のために、夫のふるさとである長野の山奥に引っ越す夫婦。
そんな美智子さんが、徐々に生きる力を取り戻し始めます。
それは、自然の治癒力のなせる業なのかもしれませんが、
それ以上に彼女に影響を与えたのは、人々の生きる姿勢なのでしょう。
質素なものばかり食べていたのが、長寿につながったとしたら、
それはお金がなかったからです。貧乏はありがたいことです。
自然のあるがままを受け入れ、貧乏にすら感謝するおうめ婆さん。

自らの子供が死んでも、それを天命として受け止める幸田先生。
それは、自分の死すらも。

不幸が起こった時、人はそこに、なにかしらの意味を求めがちです。
悲劇が起こった時、人は自分を必要以上に責めてしまいます。
けれど、あるがままをうけいれる事ができたのなら、
もっと大きな何かが見えてくるのかもしれません。

子供を流産したのは、子供が私を選んではくれなかったから。
しかし、それはあまりに自分を責めすぎなのです。
それを天命と考えた時、明日を生きる力を得ることができるのでしょう。


久しぶりの映画出演である樋口可南子さんが、
落ち着いているようで、大人のようでいて、
時折見せる少女のような笑顔やしぐさが、とてもかわいらしい。
おうめ婆さん役の北林谷栄さんは、もはや存在自体が神々しい。

大きな自然に身をゆだねて、生活することの素晴らしさ。
そこには、奇麗事だけでは、すまされないこともあるのかもしれません。
この映画で描かれているような死別や、自然の厳しさ。
しかし、そこには、たとえ、厳しくとも、心には穏やかな幸せがあるのでしょう。
そんな、素晴らしさを描いた映画でした。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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