HINOKIO ヒノキオ  
2007.02.01.Thu / 21:56 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




かなりの説明不足や生かされきれていない設定で、
ストーリーには難があるものの、
多部未華子さんの演技がすばらしい映画。

確かに、現実の世界は分かりにくい。
架空の世界のほうが、はるかにとっつき易く、分かりやすい。
どうしても、そう、思えてしまう。
でも、本当にそうなのだろうか?
そして、現実の世界には、
架空の世界には無い愉しみがある。
引きこもった少年が、友達との友情と両親との愛情で、
現実世界に戻ってくるまでを描いた映画。




サトルは最大の保護者である母に死なれ、
心の整理ができないまま引きこもっている。
母の死と、自分が引きこもっている原因を、父のせいにして、
それを言い訳にして、引きこもりを正当化している。

ジュンは父に死なれ、叔父にいたずらされ、
しかし、たくましく明るく生きている。
彼女は引きこもりの辛さをよく知っている。
だからこそ強く、やさしく、たくましい。
時々、過去の傷ゆえか、弱さや寂しさも見せる。
けれど、明るく振る舞おうとしている。
ジュンは始めてヒノキオを見たとき、
自分が持っている痛みと同じものを、
サトルに感じたのだろう。
だからチョッカイも出したのだろう。
これはイジメではない。
彼らなりのコミュニケーションなのだ。
クラスの誰よりも最初に、自己紹介をするジュン。

ジュンとサトルがお互いの身の上を話した時、
ジュンの直感は確信に変わったのたわろう。
サトルは自分と同じ痛みを抱え、けれど抜け出せないでいる。
現実世界の素晴らしさを語りかけるジュン。
そして徐々に変わってゆくサトル。
感覚フィードバックシステムをインストールして、
現実世界に少しでも近づこうとするサトル。

何よりも、友達とのふれあいが、
引きこもりの傷を癒すのかもしれない。
それにひきかえ、解決の糸口さえ見出だせない父は、
とても無力に描かれている。
唯一の解決は、きっと、
サトルを愛していることを精一杯示すことなのだろう。
しかし、そこに思いも至らず、きっかけも掴めないでいる。

サトルが重傷を負い、それを助けようとするジュン。
ゲームの世界と現実とは何の関係もない。
しかしワラをも、つかみたい彼女の気持ちが、
ジュンを高い煙突に登らせたのだろう。

意を決して、煙突の上に立ち上がるジュン。
やさしさや、いたわりを越えた彼女の強い想いが、
人にここまで勇気を与えるのだろう。

かなり説明不足や生かされていない設定。
特に煉獄は、ヒノキオを操ってしか、
現実に触れることができないでいるサトルの状況を
説明する為に登場したのでしょうが、
それも上手に生かされていません。
しかし、それを補って余りある多部未華子さん。
本当にすばらしい。

最後に再会する二人。
髪を伸ばし少女になったジュンがそこにいる。
この、すばらしくとも、うれしくなるような驚き。
彼女の成長も、彼女との再会も、
現実世界のすばらしさなのだろう。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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多部未華子多部 未華子(たべ みかこ、1989年1月25日 - )は、東京都出身の俳優|女優。ヒラタオフィス所属。血液型O型。広告モデル、ドラマ等を経て、2003年秋に行われ
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