地下鉄(メトロ)に乗って 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




父を憎んでいた兄と妹。
しかし、タイムスリップにより、
父親の本当の姿を知る。
父は兄を疎んでいたわけではなく、
妹を忘れていた訳でもない。
戦争に翻弄された不幸な時代に生き、
そして、単に不器用なだけだったのだ。
よくある話の映画かもしれない。
しかし、最後に取った妹の選択が、
心に深く、のしかかってくる映画。


父を憎み、しかし、似たような生き方をしている真次。
父に忘れられたと思い、母のような生き方をしているみち子。
しかし、メトロによるタイムスリップにより、
父親の本当の生き方を知る二人。
しかし、二人が取った選択は、とても対象的。
真次の選択は、父親を受け入れ、許すこと。
たぶん、真次の一言が父を変え、その後の二人の今を変えたのだろう。
父の死に際に真次は父と和解しているように見えた。
しかし、みち子の選択は、自らの存在を消してしまうこと。
生まれてくる子供を想う母親の幸せと、愛する兄の幸せ。
それぞれの幸せを両天秤に賭けての選択。
不倫であり、実は腹違いの兄であった人を愛してしまった、みち子。
未来に幸せな生活などあるはずもない。
別れられれば済むのかもしれない。しかし、
離れがたいほどに、真次を愛してしまったのだろうか?
自らの存在を消さなければ、分かれられないほどに、、、
アムールに向かう途中で指輪を真次の背広に入れる、みち子。
その時点で、別れは覚悟はしていたのかもしれない。
しかし、その選択に対して背中を押したのは父と母の愛情なのだろう。
謀らずも、母親と同じ生き方をしてしまった、みち子。
心の奥には父と母への反発があったように感じられる。
少なくとも、みち子は、自分は両親には愛されてはないと錯覚し、
自らの人生を、幸せに生きる意味を、
見出せないでいたのではないのだろうか?
誰も心配はしてはくれていない、自分だけの人生。
だったら、大切に生きなくてもいい、
自分の思い通りに生きよう。その先に不幸が待っていても、、と。

しかし、自分は愛されていた。
「誰か、愛する人と幸せに暮らすだろうよ。」
そんな母親の、娘の幸せを願う祈りを裏切っている自分。
だからこそ、自分自身がして来た過ちを、
正したかったのではないのだろうか?

原作を読めば分かるのかもしれないし、
やはり、わからないのかもしれない、みち子の選択の意図。
しかし、みち子は、父の生き様と同様に、精一杯生き、
精一杯、自らの最後を選んたのだろう。
そんなみち子の最後が心に重くのしかかる映画。

コメント

みち子

TBありがとう。
原作でも、みち子のことは結構書かれていましたからね。もうちょっと、監督さんの演出があれば、と思いました。

説明不足?

レス遅くなってすいません。
原作では、やはり、書かれていましたか。みち子さんのこと。監督としても、表現はしたいけど、露骨に分かるようにはしたくなく、ぎりぎりのところで抑えたのでしょうかね? 二度見れば分かることもあるかもしれませんね。

それじゃ、また。

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