がんばっていきまっしょい  
2007.04.16.Mon / 18:54 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。


ひとつの事だけに打ち込んだ
懸命に挑戦した
輝かしくも、かけがえのない
彼女たちの冒険


ボートに憧れ、
「私、ボートがないと、なんにも無いんです。」
というほどに、ボートに打ち込む悦ネェ。
果たして、ボートしかない青春、他に何もない青春は、
空っぽで、つまらない青春なのか?
ボートばかりに打ち込んで、他に眼もくれなかった青春は、
あの時、もっと、いろいろやっておけば良かった、
と悔いの残る青春になってしまうのだろうか?
いや、そんなことはないのだろう。
そんなことはない、それを教えてくれた映画。
高校に受かったけど、なにもすることがない。
家族も自分には無関心。
しかし、プチ家出をした海岸で見たボートの美しさ。
その美しさに心を奪われる悦ネェ。
ボートの経験もない。ボート部もない。
一緒に漕ぐ仲間もいない。
ゼロから始めるボートは、まさに彼女にとっては、
青春の大いなる挑戦。そして大いなる冒険。

初めて出場した大会での悔しさは、
ビリで負けた悔しさだけではない。
それは、全力を出し切れなかった悔しさ。
「秋の新人戦まで」と甘えていた自分たちの心。
次の大会に雪辱を期する彼女たち。

恥ずかしさや照れ隠しで無関心を装う父親。
しかし、娘からの電話を真っ先に取り、
電話を切った後も、電話を見つめる。
悦ネェは気づいていないが、
父親は確かに娘を愛している。
「なさけない」という台詞が絶妙。

東京からやってきたコーチは、なにに対しても無気力。
東京で何があったかは明かされてはいないが、
彼女の無気力は、自分の人生からボートを失ったことや、
ボート以外に何もない自分を嘆いていることに、
無関係では無いのだろう。

腰を痛めてボートから離れた悦ネェ。
彼女もボートを失い、途方にくれている。
そんな悦ネェを見たからなのだろう。
きっと、コーチは、自分の青春の価値を思い出したに違いない。
そして、悦ネェも、自分を待ってくれている仲間の元に戻る。
それは、本当に自分がいるべき場所。居たい場所。

琵琶湖行きを賭けた決勝戦。
貧血で倒れそうになろうとも、持ち直し、
手を血で赤く染めようとも、妥協はしない。
自らの身をも省みず、全身全霊でボートを漕ぐ彼女たち。
きっと、彼女たちの実力では、
決勝に勝ち残るのが限界だったのだろう。
しかし、その限界を超えようと、もがく彼女たち。
勝ち負けではなく、捨て身で限界を超えようとする想いが、
彼女たちの青春に、かけがえのないものを、
もたらしたのだろう。

ボートしかない青春はさびしい青春?
いや、そんなことはない。
想いを共にした仲間たち。
かけがえのない一瞬一瞬。
そんなすべてが彼女たちを輝かせている。
たとえ未来において、ボートを失い、道に迷い、
一時は、自分は空っぽだったのでは、と嘆いても、
最後には、これで良かったんだと、後からは思えるはずだ。
本当に、空っぽなどでは無かったのだから。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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