ギミー・ヘブン  
2007.05.18.Fri / 21:33 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




見る人が違えば、この世界の見え方も様々だ。
それは、人によって、世界の見え方が違うからだ。
この世には、自分と同じ様に世界が見える人は、
いないと諦めている葉山。
自分と同じ様に見えている人を、求め続ける麻里。
求めさまよい続けた果てに巡り会った共感者。
めぐり合うこと、それ自体が、麻里にとって、
至福なのだろう。
しかし、天国は別なところにある。
共感覚という特殊な感覚を持つ者を描きつつも、
実はかなり普遍的な、誰にでも当てはまるような、
孤独と人のかかわりを描いた映画。
人よりは、違ってこの世界が見える。
そんな、共感覚と呼ばれる感覚を持つ、葉山と麻里。

葉山は、自分と同じように世界が見える人間は、
いないと諦めている。
諦めていればこの世は孤独でなくなるのだろう。
孤独の中に身を置きながらも、
他者と自分との違いを意識できていれば、
この世界は、孤独ではなくなるのだろう。

麻里は、同じように見える人間を求め続けている。
求め続ければ、この世は限りなく孤独だ。
この世に自分と同じ様に世界が見える者の存在。
自分と同じ孤独を感じている者の存在。
そして、それは自分を真に理解してくれる者の存在。
麻里にとっては、その存在自身が救済につながるのだろう。

しかし、世界を知るということは、
他者と自分との違いを認識することなのだ。
そして、たとえ、同じように世界が見える人が存在しても、
その人は自分とは違う人間。完璧には分かりあえない人間。
だから、孤独であることに変わりはない。

「ふざけんな!」
自分と同じ人間を求めて人を殺した麻里に叫ぶ葉山。
「簡単に人を殺すなよ。」
他者と自分との違いを意識している葉山には、
共感者という孤独の中にいても、
他者との関係を築く事ができ、孤独ではなかったのだ。
たとえ、見える世界が違っても、人は孤独でなくなるのだ。


最後に写される天国の映像。
あれは、きっと葉山と野原なのだろう。
葉山と麻里ではないはずなのだ。
それは、見える世界が違えども、
ともに天国にたどり着くことは可能なのだから。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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