日本沈没  
2007.05.31.Thu / 21:18 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




リメイク版の感想です。

日本が沈むという、
特殊な事象を描いた映画ですが、
テーマは普遍的なものであると感じました。
自分の命、愛する者の命、多くの人の命を、
どのように扱うべきなのか?
そんなことを描いた映画のように感じました。


人の命を数でしか見ない為政者たち。
しかし、自らの保身のことは真っ先に配慮し、
国外脱出を図ります。
しかし、一方で、国政に切り捨てられた命に、
最後まで寄り添う自衛隊やレスキューの隊員たち。
被害の前線で指揮を取る政治家の人々。


映画を見ていると、奇妙なシーン、
現実的でないシーンによく出会います。
一度しか見ていない私たちが奇妙に感じるのであれば、
何度もストーリーを練っている製作者たちには、
奇妙なのは、自明のことのはずです。
しかし、限られた上映時間にあえて、
そのシーンを残すということには、
製作者サイドの意図、その奇妙さを無視してでも、
描きたかったことがあるはずです。
この映画で私が感じた奇妙なシーンは、
沈み行く日本に神出鬼没に現れる小野寺です。
自分の生家、阿部さんの身内、放置された犠牲者、
小野寺は、まさに神出鬼没に沈み行く日本に現れます。
切り捨てられた命、日本が、自分の大切なものが失われていく人々を、
小野寺の目を通して、描きたかったのかもしれません。
本来であれば、結城に田所博士の日本を助ける計画に参加するんだ、
という話を聞いて、小野寺も参加する、
というストーリが、かなり映画的なはずです。
しかし、樋口監督は、そうは描きませんでした。
自分は、沈み行く日本で、いったい何をすれば良いのか?
実際に自分の目で見て、自分だけの考えだけで、
決めさせたかったのではないのでしょうか?
ここが、洗脳教育の元、熱にうかされたように、
自らの命を散らし、犠牲となってしまった特攻隊員たちとの違いでもあり、
自分の目で見て、自分で決める事の大切さを、
描きたかったのかもしれません。

最後に日本はかろうじて救われ、それを国民に発表する鷹森大臣。
彼女は、実際の難民を目の前にして、それを発表します。
命を数ではなく、実際に生きている人として捕らえる。
そして、彼らを目の前にして、将来の希望を語る。
それこそが、本当に大切なことなのでしょう。

自らの幸せ、愛する者の幸せ、多くの人の幸せ。
天秤に掛けるのは大変なことなのですが、
通り一遍の理屈ではなく、他人から強制されるのでもなく、
自分で見て、考えることが大切なのでしょう。

そういう意味で、樋口監督はかなり良心的な監督のように感じました。
映画的には多々文句をつけたくなるところもありますが、
映画の見方が甘い私には、この良心だけで、許せるように思えます。
多分、私だけだとは思いますが、、、、
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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