めし  
2007.07.08.Sun / 21:14 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




眼の前に居るのは、
自分に向かって「めし」としか言わない男。
かつては、駆け落ち同然で結ばれたはずだったのに。
女の幸せとは、いったい、、、
そんなふうに考えていた女性が、
自分の人生を見直し、
夫の魅力を再確認するまでを描いた映画。


人並みの生活を送れてはいるものの、
やはり貧乏には違いない生活に疲れ、
日々の忙しさに埋没し、
愛していたはずの夫からは優しい言葉も聞くことは出来ない。
倦怠気なのか、マンネリなのか。
今の生活に、とても行き詰っている三千代さん。

そんな二人の生活に、突如侵入してくる姪の里子さん。
マイペースで無神経。
されど、何故だか、夫はこの姪にとても優しい。
羨望と軽蔑。
まさに嫉妬とは羨ましさと憎しみが込められた想いなのだろう。

遂に家を飛び出す三千代さん。
けれど、夫だって優しさを忘れたのではない。
テレや恥ずかしさ、そして、行き違い。
それは、生活を共にして、二人の距離が近すぎるから。
そして、大抵の男はやはり無神経で不器用。
気の利いたセリフを、タイミングよく言うなんて、
そんな器用な行動、できるはずもない。

実家に帰り、沢山寝て、おいしい物も食べて、
人間らしい感性を取り戻してゆく三千代さん。
でも将来はどうするの?
羨ましかった里子さんの生き方を真似てみても、
どうにも気分は晴れない。
昭三さんに説教され、
今の生活は羨ましいと同時に、
嫌悪していたはずだったことを思い出す。


突然の夫の訪問。
しかし相変わらず、優しい言葉の一つも言わない。
迎えに来たと言ってくれれば、
三千代さんは、どんなにか嬉しいのに。
しかし、不器用だけど、堅実、
ソコがこの人の良さなのだろう。
だが明らかに変わった所もある。
三千代さんの為に転職を考えてくれている。
そして、
「ああ、はらへった。」
それは、今までは三千代さんにとっては、
聞くのもいやな言葉だった。
しかし、今は何だか違って聞こえる。
それは、やはり、この人らしい言葉だからだろう。
そして、さらに「ごめん、ごめん。」と誤ってくれるあたり、
初之輔さんも、それなりに反省したことが伺える。

三千代さんのラストのセリフは、
一般論として、女の幸せを決め付けているのではなく、
彼女が再確認した彼女の生き方なのだろう。
一時的でも里子さんの生き方に羨望はしたものの、
嫌悪したのも事実。根本的に生き方も感性も違うのだ。
そして、日常の中で疲弊した感性には休暇が必要。
ゆっくり休めば、見えてくるものがある。
見失っていたものも、再び新鮮な感性で見えてくる。
不思議な夫婦の絆も、自分が大切に想っていた幸せも、
いろいろ、見えてくるのだろう。


* テーマ:見た映画の感想 - ジャンル:映画 *
No.508 / タイトル ま行 /  comments(2)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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- from ガオ -

ヤンさんこんにちは。
お久しぶりです。
『終極無間』のヤンさん節を味わいにきたら
大好きな『めし』がアップされていたので
思わず寄り道(笑)
アタシは、この映画、最初観た時と
再度観直した時の感想が違うのですが
どちらにしても成瀬監督の映画に
登場する男は情けないなぁってのがわかった映画でした(笑)
ニャンコが可愛かったな。原節子さんも
素敵だったのだけれどお母さん役の
杉浦さんが上手いなぁって思いました。
久しぶりに、また観なおしてみようかな。

2007.07.26.Thu / 17:01 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

寄り道いらっしゃいませ。
 そうそう、ネコがかわいかった!!
成瀬監督は、情けない男だけでなく、ネコも上手に撮りますね。本当に上手な監督です。
 まあ、男なんて、誰も情けないんですよ、きっと。三千代さんは、その情けなさを(再び)受け入れたんだと思いますよ。
 杉浦さん、いつもながらに雰囲気が良かったです。本当にお母さんって、感じ。最初、弟さんを演じていたのが、小林桂樹さんだとは分かりませんでした。すごく若い。

それじゃ、また。

それじゃ、また。
 

2007.07.29.Sun / 21:38 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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