綴り字のシーズン  
2007.08.16.Thu / 21:10 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




バラバラに壊れてしまった家族。
壊れたものは、破片を集めて修復する事は可能だ。
しかし、壊れてしまった家族は、
どのように直せばいいのか?
家族は苦しみの中で様々なものに、すがる。
それは光であったり、宗教であったり。
しかし妹が求めたものは、別な道。
それは家族に自分の真心を示す事。
バラバラになった家族が、
再生のきっかけを掴むまでを描いた映画。

バラバラになった家族。
その原因は様々だ。
自己中心的な父親。
トラウマを抱えた母親。
反抗期にさしかかった兄。

家事もこなし、教養もあり、
家族に対する愛情が深い父親。
自己中心的で、自分の興味あることには、
のめり込み易い人間ではあるが、
理想的な父親と言ってもいいかもしれない。
しかし、理想的過ぎるゆえに、
家族の一人一人が自立する妨げになっているのだろう。
父親の関心か妹に過度にむけられた時、
妻と兄は逆に父親から解放され、
しかし、外に向けて、自己の救済を求め始めたのだろう。

苦しみと寂しさの中で家族が求めた救いは様々だ。
しかし、彼等は一様に家族の外に救いを求める。
それでは、家族がバラバラになるのは必然だ。
バラバラになった家族に心を痛める妹。
なにも家族がバラバラになったのは彼女のせいではない。
しかし、自分が綴り字の大会に勝ったことで、
家族がバラバラになったと自分を攻める妹。

全国大会の終盤。
優勝を賭けた綴り字の暗唱で、
最後の字をわざと間違える妹。
自分が勝ち続けるかぎり、
家族はバラバラのままであると考えたからであろう。
そんな想いを理解する兄と父親。
その想いはきっと母親にも届いたことだろう。
救いは、家族の外にあったのではなく家族の内にあったのだ。
バラバラになった家族が、
再生のきっかけを掴むまでを描いた映画。



追記
ネットで調べると、どうも、
妹が最後に綴り字の暗唱をわざと間違えた理由は、
父親からの支配を否定する為であり、
理想的過ぎる父親に対して、
父親が期待する理想には応えられない、
何故なら人は完璧には生きられないから、
そして、自分の内には自分自身があるから、
という事が本来の理由のようです。
そして、兄も妻も、その姿勢から父からの独立を学んだようです。
多分それは正解なような気がしますし、
なにより映画としての構図にぴたりとはまる気がします。
しかし、自分には残念ながら、
そこまで感じることはできませんでした。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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