夕凪の街 桜の国
- タイトル や行
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六十年経った今でさえ、
なお続く被爆者達の苦しみ。そして苦悩。
誰かが自分達をまとめて殺そうとした。
誰かが私を死んでも良い人間と判断し、殺そうとした。
しかし、生き残ってしまった。
生き残ったことは、果たして許されることなのか。
自分は、生き残っただけの価値がある人間なのか?
被爆者という呪い、そして差別。
その中でも、懸命に生き、幸せを掴もうとする人々。
原爆投下を決めた人々の知らない所で、
今なお続く人々の悲劇、しかし、
その悲劇に負けず懸命に生きてきた人々、
そして、生きようとする人々を描いた映画。
皆実さんは、
原爆を生き残ってしまったというトラウマを持つ女性。
幼い妹は死に、しかし、自分だけは生き残った。
誰かが自分など死んでもよいと判断し、
死ねとばかりに頭上に原爆を落とした。
しかし、まったくの偶然で死なずにすんだ。
多くの友達、知り合い、大切な人が死んでしまった中で、
それは本当に紙一重。偶然が演出した出来事。
本当に自分は生きていて良い人間なのか。
それだけの価値がある人間なのか。
しかし、そんなトラウマも打越さんによって癒される。
だが、癒された瞬間、被爆の後遺症が発病し帰らぬ人となる。
「嬉しい? 原爆を落とした人はわたしを見て
”やった!またひとり殺した”ってちゃんと思うてくれとる?」
だが、そんなことなど無いことを私達は知っている。
原爆を落とすことを決めた人々はそんなことなど、忘れている。
今なお、身心ともに苦しみ、死に逝く人がいることなど、
意識などしてはいないのだろう。
死ぬことの意味すら、奪われた皆実さん。
しかしこの物語は終わらない。
父親の後を付け、自分のルーツを知る。
今までは、桜の国での出来事を忘れたいと願っていた。
母親の吐血。祖母が呼んだ翠という少女の存在。
しかし今、自分のルーツを知ることで、
「この二人を選んで生まれてこようと決めたのだ。」
そう、思えるようになった。
両親の歴史を知り、両親を誇りに思えるようになった。
自分も呪いにも似た差別にも負けぬよう生きて行こう。
限られた命でありながら懸命に幸せを求め生き抜いた母親のように。
被爆者という事を知りながらも母親を選び、愛した父親のように。
そんな両親を誇りに思う。
この人たちの子供に生まれてきて、
本当に良かったと思えるようになったのだろう。
原爆投下を決めた人々の知らない所で
今なお続く人々の悲劇、しかし、
その悲劇に負けず懸命に生きてきた人々、
そして、生きようとする人々を描いた映画。
- [2007/09/14 00:00]
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