間宮兄弟  
2007.09.27.Thu / 22:22 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




30歳を超えて、なお、兄弟仲良く暮らす間宮兄弟。
これは、果たして微笑ましいのか、気持ち悪いのか?
優雅な生活なのか、寂しい生活なのか?
羨ましいのか、奇妙なのか?
なかなかに複雑な味わいを持った映画。

間宮兄弟の生活は、とても不思議。
贔屓の野球チームの試合をスコアをつけながら観戦する。
ジャンケンしながら餃子を食べに行く。
蔵書やコレクションも、とても豊富。
人生の楽しみ方を極めている様でもあり、
それ以外の楽しみ方を知らない様でもある。
人生の辛さなど一切味わっていないかのような純粋さ、
しかし、現実的に、彼らは失恋のつらさや世間の冷たさを
十分味わいながらも、しかし、今の純粋さを失ってはいない。
マイペースで、他人の目など一切気にしない。
毎日、同じようなことを繰り返して、
しかし、飽きるどころか、心から楽しんでいる。
彼らの生活を支えているのは、彼らの強い自己肯定の心なのだろう。
間宮兄弟は、自分たちの生活が異様だとは少しも思っていない。
むしろ、今の自分たちを当たり前だとさえ、考えている。
それらは、母親からの強い愛情と、
中学から二人暮しをしてきた長い歴史とが、
培ってきたものなのだろう。

黒板に「ない」を9つも書いた葛原先生の生徒。
この生徒は間宮兄弟の対極にいるのだろう。
そして、自己否定の末に、精神的には不幸のどん底にいるに違いない。


そんな間宮兄弟の生活に入り込んだ3人の女性。
それぞれが、自分の恋愛に行き詰まり、
それ故に癒しを求めて間宮兄弟のパーティーに参加する。
彼女たちにとっては、間宮兄弟は決して本命にはなり得ない。
自分たちの心の渇きを癒す為のつきあいなのだろう。
彼女たちにとっては、深みには決して入り込まない、
不思議な安心感があるのだろう。
しかし、利用される側と利用する側とでは、
どちらが幸せな人生を送っているのだろうか?


「好きだったら、なにか行動を起こせよ。」
行動を起こし、しかし撃沈される二人。
冒頭と同じ光景が展開されるのは、
二人が何度も、こうして悲しみを乗り越えてきたことを
示していたことを意味しているのだろう。
彼らが、彼らの純粋さを保っているのは、
なにも世間知らずだからではない。
悲しみの上手な乗り越え方を知っているからだ。

「一日の終わりに電話で話せる相手がいるのっていいな」
30歳を超えて、なお、寝食をともにする兄弟。
確かに気持ち悪く見えるのかもしれない。
だが、お互いの傷を舐めあっている訳ではなく、
互いに自立していないわけではない。
お互いの事が理解できれば、
楽しいことは2倍楽しく、悲しいことは半分に減る。
そんな生活を実践し、その生活の幸せを理解しているのだろう。
やはり、この兄弟は、
なかなかに羨ましい生活をしているのではないのだろうか?
* テーマ:見た映画の感想 - ジャンル:映画 *
No.529 / タイトル ま行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.