キサラギ  
2007.11.26.Mon / 22:55 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




如月ミキ追悼の為、
彼女の一周忌に集まった五人の男たち。
果たして本当に彼女は、自殺してしまったのか?
次から次へと暴かれてゆく真実、
そして彼らの正体。
そして彼らが辿りついた彼女の死の真相。
それは彼らが如月ミキを深く愛する故の結論。
架空の存在であるはずの如月ミキの追悼の為の映画。

そして、二転三転するストーリー。
芸達者な五人の俳優が魅せるサスペンス。
それらがとても楽しい映画。


アイドル如月ミキの一周忌。
彼女の追悼の為に集まった五人の男たち。
しかし、この集まりは、
如月ミキを殺した犯人に自白させるために企画された追悼会。
死の真相を解明する過程で次から次へと明かされてゆく真実。
そして彼らの正体。
最初はおぼろげだった如月ミキの実像が、
彼らの想いを通じて、徐々に明確になってゆく。
普通の女の子らしい趣味や嗜好。
時には弱音を吐くものの、
懸命にアイドルとして仕事をこなそうとする一途さ。
アイドルとなった今でさえ、田舎のフィアンセを忘れない純情さ。
生き別れた父親に今の自分を見せたいという健気さ。
ファンレターを命よりも大切に扱う誠実さ、その暖かな気持ち。
そこには、アイドルとして、普通の女の子として、
懸命に生きてきた如月ミキの姿がある。
それらは、もしかしたら、彼らの勝手な願望かもしれない。
しかし、五人が五人なりに如月ミキを深く愛する故の、
彼らなりの如月ミキの実像なのだろう。

死の真相は誰にも分からない。それは闇の中。
されど彼らがたどり着いた幸せな結論。
誰かが悪かったわけではない。
誰かが犯人というわけでもない。
彼女は彼女らしく生き、彼女らしい理由で死んでしまった。
だからこそ彼女を愛する五人も納得できたのだろう。
この結論に達したのは偶然ではない、必然だ。
彼らの深い愛情ゆえの必然なのだ。
それらの結論は彼ら一人一人の主観でしかないのかもしれない。
真相は永遠に分からない。
だが、そのような形で彼らは如月ミキの死を消化し、
永遠のアイドルとして昇華したのだろう、彼らの心の中で。
彼らが成したことは、正に一周忌のそれと似ている。
架空の存在であるはずの如月ミキの追悼の趣をもつ映画。

しかし、、、、、、
最後に明かされる如月ミキの素顔。
D級アイドルで不器用でおっちょこちょい、でも、一生懸命。
そんな彼女のイメージに、確かに被るような素顔ではあるものの、
素顔を明かされるまで抱いていたイメージとは微妙に違う。
そして登場する宍戸錠。蛇足感が否めないばかりか、
彼らの幸せな結論をも否定してしまう。

所詮、真実と思えていたことは、各自の主観。思い込み。
それは、決して真実にはなりえない。
最後には、幸せだった気分を壊して、
突き放したような終わり方を見せる映画、、、
ということなのだろうか?
それとも、考えすぎなのだろうか?
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.544 / タイトル か行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
この作品は、俳優とストーリーが良くて、とても面白かったです。

如月ミキの素顔は、コメディ色を出していて、
私はそれなりにいいと思ったんですが、
宍戸錠に関しては、ヤンさんと同じく蛇足だと思いました。
きれいに結論が出ているのだから、それ以上はもういいですよね。

でも、好意的に考えれば、
毎年集まって白熱した議論を交わすのが、
けっこう楽しいのかもしれませんけどね。
それが彼女を忘れないって事になって。

2008.08.28.Thu / 12:48 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

確かに宍戸錠は蛇足でしたね。
でも、YANさんみたいな解釈もあるのかと、目から鱗が落ちる思いです。なるほど。毎年同じ日に集まって、「実は!」なんてやるのも、個人を懐かしむという意味で結構楽しいのかもしれませんね。死んでしまいましたが、彼女は本当に幸せな女の子かも知れません。

 それじゃ、また。

2008.08.28.Thu / 22:13 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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