2008.01.14.Mon / 22:33 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




自分が好きな自分。
自分が嫌いな自分、それは、自分が認めたくない自分。
クワイエットルームで、その間を激しく揺れ動く明日香。
だが、最後には抜け出すことができた。
生きることは重いこと。
その重さの理由は、自分が嫌いな自分を、
冷静に見つめなければならないから。
しかし、それでも生きてゆかなければならないのだろう。
それに気づいた明日香は、最後には新たな人生を力強く始める。
そんな人生の重さに気づかされた女性を描いた映画。



自分が好きな自分でいられる時、
その人は幸せを感じ、人生は絶好調なのだろう。
それは、自信に溢れる自分。
しかし、そんな時こそ、人は過ちを犯しやすい。
なぜなら、他人への痛みに鈍感になりやすいから。
そして、意識せずに簡単に他人を傷つけてしまいがちになる。
言ってはならない暴言を吐き、
人を傷つけ、最低の行動を取ってしまう。
それが失敗と気づいても、もはや、手遅れなのだ。

自分が嫌いな自分を見つけた時、
過去に犯した失敗により、劣等感や後悔に、さいなまれる。
そして、誰かにすがりたくなる、自分の存在価値を取り戻すために。
だが、そこから立ち直ったと思っても失敗は消えて無くなりはしない。
消すことはできない。

優越感と劣等感。憂と鬱。陽と陰。
その間を激しく揺れ動き、生きてきた明日香。
明日香はクワイエットルームに入る以前から揺れ動いていたのだろう。
不眠症になり、睡眠薬を使用していた、と思ったら、
急にやる気を出して前向きになった、と思ったとたん、
元夫の死でクワイエットルームに運ばれてしまった。

そして、クワイエットルームの中では、
看護婦をやり込め、有頂天の最中に、
忘れたかった過去を他人に暴露されてしまった。
自分は本来はここにいるべきではない、と信じていたのに、
本当はここにいるべき人間であった事に気づいてしまった。
周りの人間は異常、自分だけが正常、しかし、そうではないと気づかされた。
自分が好きな自分と、受け入れがたい自分の間を激しく揺れ動く明日香。

少しだけでも心を通わせていたと信じていたミキに、
暴言を吐いてしまった時、自分が信じていた自分という人間は崩れ去り、
悲しみにうちひしがれてしまう。それでも、
人は一人で生きてゆかなければならないことに気づかされる。

人から、うざい、と言われること。
その言葉を受け入れる勇気。
相手に、本音を言ってもらう勇気。
しかし、実は他人に言われるそんな言葉が、最大の治療薬なのだろう。

うざいと言った後、泣き崩れた鉄雄にも、
実は必要な言葉なのだ。相手との対等の立場を築くために。

時に自分は、
他人に取って面白い、価値がある、魅力がある、
と思われているのかもしれない。
だが、別な時には、うっとおしい、最低、迷惑者、
と思われている時もあるのかもしれない。
それは自分の中での、自分自身の価値も同様だ。
しかし、その、いずれもが自分。
そうして、この孤独な世界を生きて行く。
そんな人生の重さに気づかされた女性を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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