マリー・アントワネット  
2008.01.19.Sat / 21:10 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




アントワネットの生涯を描いた映画いうより、
一人の少女が背負わされた重責と疎外感から、
自己を喪失し、しかし、取り戻してゆく過程を描いた映画。
そして、自らの本当の役割を自覚するには、
彼女は幼すぎ、時代は傾きすぎていた。
時代に翻弄された、幼すぎる少女を描いた映画。

疎外感や孤独感を上手に描いた、
ソフィア・コッポラ監督らしい映画といえば、それまでですが、
しかし、もう少し監督に冒険をして欲しかったとも思える映画。





「自分の幸せは祖国とフランスの幸せ。」
すべてを捨ててフランスに嫁いだアントワネット。
人に言われるままに、祖国のすべてを捨てて、
人に言われるままに、フランスの全てを受け入れざるを得ませんでした。
しかし、それは自己を自ら捨て去ること。
ベルサイユ宮殿は馬鹿げた場所、しかし、それこそがベルサイユ。
プライバシーもなければ、
人としての品位のカケラもない陰湿な陰口が横行する場所。
そして、彼女の苦悩を理解しようとする人、本当に心を許せる人は、
いませんでした。

「皆の失望は私の不幸。」
すべての人の幸せの為に、自己を犠牲にするアントワネット。
純粋に、それが自分の幸せに繋がってゆくと信じていたのでしょう。
しかし、それは自分の力だけでは成しえない事。
そして、その不満をぶつけてはいけない事。
相手に対しても、他人に対しても。
その不満と失望を解消するための享楽的な生活。
それは、仕方のないことなのでしょう。

けれど、ついに世継ぎを生むことが出来たアントワネット。
それと同時にプチ・トリアノンに移り住みます。
それは、ベルサイユの馬鹿げた規則や決まり事から逃避し、
自分を取り戻す為。
自然な中で生き生きと暮らすアントワネット。
しかし、それが無視された貴族たちの間に不満をもたらし、
思わぬ政敵を作っていきます。

フランス革命が起こったのは、
そして、王国の財政が傾いたのは、アントワネットの浪費の為?
それは違うのでしょう。
国民を救うため、ダイヤの購入を止めるアントワネット。
しかし、度重なる戦争と、アメリカ支援のための支出に、傾いてゆく国庫。
けれど、政敵たちは、すべてをアントワネットのせいにしてしまいます。
流される流言蜚語。
ですが、アントワネットは、それを無視してしまいます。
しかし、最後にアントワネットは気づきます。
以前は、自分がオペラを鑑賞して拍手をすれば、皆が拍手をしてくれた。
しかし、今は、誰も自分に従わない。
アントワネットはいつの間にか、見限られてしまっていたのでした。

ついに始まったフランス革命。
大勢の群集の前で頭を下げるアントワネット。
王妃として、この人々のために、本当は何をしなければならなかったのか?
しかし、すべては遅すぎました。
フランス王国を守るためには、
アントワネットは幼すぎ、時代は傾きすぎていました。
時代に翻弄された、幼すぎる少女を描いた映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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