男たちの大和/YAMATO  
2008.01.21.Mon / 21:22 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




故郷を、大切な人を守るために死に逝く者。
死んで欲しくないと送り出す者。
若者に無用な自己犠牲を強いることに、ふがいなさを感じる者。
生き残ってしまった、そして、
大切なものを守りきることが出来なかったと後悔する者。
意味の無い戦いによって、
さまざまな人がさまざまなものを奪われてしまった。
生きる意味、誇り、人生の宝、いきがい、そして、命。
しかし、それでも残された者は生きてゆくかなければならない。
無駄に散ってしまった命を無駄にしない為に。
大切なものを意味の無い戦いに奪われた人々を描いた映画。



「覚悟は出来ています。」
日本海軍の象徴たる大和で特攻に出撃する覚悟を決めた青年たち。
本当であれば、まだ、両親の元、学校で勉強しているはずの年代。
まだ幼いはずなのに死ぬ覚悟を決めた彼ら。
こんなにも幼いはずなのに、戦争は彼らに大人になることを強制する。
死ぬことの本当の哀しさも理解しないままに。



「敗れて目覚める。それ以外に日本が救われる道はない。
 その先駆けとして我々は散る。」
正論のように響く、この言葉。
確かに彼ら大人には正論なのかもしれない。
戦争を始めてしまった、そして、その責任を取らなければならない彼らには。
しかし、死に逝く若者たちに、なんの責任があるのだろうか?

大切な人を守るための戦いであるはずの大和の沖縄特攻。
しかし、援護の飛行機も無い、立案された時から成功の見込みがない作戦。
若者たちの純粋な想い、自らを犠牲にしようという覚悟は、
最初から、騙され、踏みにじられ、裏切られていたのだろう。


激戦の末に海底に沈んでしまった大和。
そして、生き残った神尾。
だが、神尾の悲劇は終わらない。

命を掛けて戦った、しかし、
守るつもりでいた者を全て失い、守ることは出来なかった。
そして、自分一人だけが生き残ってしまった。
何を目的に、今後の人生を生きればいいのだろうか、、、、、

「許してください、自分だけ生き残ってしまって。」
「ひどいことを言ってしまった、勘弁してください。」
この先、そんな想いを抱えながら生きなければならない。
いったい彼らにどんな罪があって、
こんな想いを抱えながら生きてゆかなければならないのだろうか。


60年間、むざむざと生き残ってしまった。
しかし、内田のその後の生き方に触れる神尾。
確かに大和の沖縄特攻で死んだ人たちは無駄死にだったのかもしれない。
しかし、だからこそ彼らの死を、そして自分の命を無駄にしてはいけない。
その想いは神尾から、船の舵をしっかりと握る少年にも伝わったのだろう。


今回、反町隆史さんの演技を始めてみました。
もっと熱く太い感じの演技をするかと思いましたが、
幼い少年兵たちに対する気遣い。
そんな彼らに命の犠牲を強いらなければならい、ふがいなさ。そして、
「万に一つ、総員退去の命令が出たら、戦闘は終わりだ。
 そうしたら、船から離れよ。」
そんなやさしさを静かに好演。

しかし、最後の三人そろっての敬礼はちょっといかがかと、、、、
それがとても残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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