迷子の警察音楽隊 

「ネタバレ」あり。ご注意願います。




迷子になってしまった警察音楽隊。
最低限の会話しか通じない夜。
交わることがないはずだった人々が交わった時、
様々な感情が交差する。

皆が寂しさを抱えている。
しかし、他人とどうやって、話をしたらいいのかわからない。
とても不器用な彼ら。
しかし、最後には何かを共有できた。
それは非日常的な夜がもたらしたプレゼント。
迷子になって人生の迷路から抜け出せた気がした。
そんな夜を描いた映画。


見る前は、もっと、ユーモアあふれ躍動感がある映画を
想像していたものの、映画はとても淡々と進む。
人の持つ寂しさと孤独を描いた、
渋くて味わい深い映画となっている。




迷子の警察音楽隊。
彼らに一晩の宿を提供したのは、
名もない食堂の女主人とそこにいる常連客。
しかし、最低限の言葉しか通じない彼ら。
とてもぎこちない夜がふけてゆく。

しかし、言葉が通じなくても、会話は成り立つ。
相手の親切、好意、寂しさ、
時には、困惑や迷惑な雰囲気までもが相手に伝わる。
逆に、相手が自分の日常ではないが故に何でも話せる。
教えてあげられる。
恋の手ほどき。過去の悔い。自らの孤独。

他人にも自分にも厳しく接してきたトゥフィーク。
カタブツで頑固、他人にも自分にも厳しい団長だった。
けれど、自分の過去の悔いを女主人であるディナに打ち明ける。
そして、他人にも自分に対しても、
そんなに厳しくしなくてもよい事を学ぶ。
ディナとカーレドとの夜の秘め事。
以前のトゥフィークであれば、彼に激怒したことだろう。
だが、それを見て見ぬフリをした姿が印象的。
寂しさは、癒さなければならない。
そんなことも学んだのだろう。

非日常的な夜に迷子になり、しかし、
人生の迷路から抜け出せた気がした。
そんな夜を描いた映画。

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