潜水服は蝶の夢を見る
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体の自由を失った男。
しかし、まだ心の自由は失われてはいない。
人間の尊厳とは、他人にどう扱われ、
どのように思われることに依存するのではない。
自分が自分自身をどう思うかに依存しているのだろう。
男に残された心の自由。
その想像力と記憶で自由に羽ばたき、自らの尊厳を守った男。
美しい映像とともに、人間の無限な可能性を描いた映画。
突然の発作により、体の自由を失ったジャン。
鏡に映った変わり果てた自分の姿。
まるで赤ん坊のように体を洗ってもらう自分。
そんな状況に、死にたいと最初は願ったが、自らを憐れむのを止める。
なぜなら彼には、まだ残された自由があるからだ。
それは、彼が持つ記憶と想像力。
企画途中であった本を別な形で仕上げようとする。
彼はいかにして絶望から立ち直れたのか。
劇的な事件や出来事があったわけではない。
彼のユーモアあふれる性格によるものかもしれない。
しかし、それは彼が自分自身と向き合った結果なのだろう。
自分の代わりに四年もの間、人質となり閉じ込められた男。
その男曰く、自分を失わなければ生き延びることができる。
それも人が持つ可能性の力なのだろう。
そんなことを教えられるジャン。
与えられた無限の時間の中で、彼は自分の人生を回想する。
小さな失敗が連続した人生。
誤った選択。
大切にしなかった子供たち、その母親。
あたかも、それは、結果がわかっているのに、
勝つ馬の馬券をわざと買わない競馬のよう。
だからこそ、今からの人生を大切にしたいと考えたのだろう。
小さな失敗が連続したと彼が形容した彼自身の人生。
しかし、この映画では、
かなり豊かな記憶に彩られた人生のように描かれている。
体の自由を失うことで、
自分では、ありきたりだと思っていたはずの彼の過去の人生が、
彼の心の中で、豊かに彩られたのかも知れない。
最後には本を書き上げたジャン。
闘病生活を綴った、とても重い映画かと思いきや、
ユーモアあふれる軽い映画に仕上がっている。
そのユーモアの源はジャン自身の想像力と記憶、そして彼を取り巻く女性たち。
その想像力と記憶で自由に羽ばたき、自らの尊厳を守った男。
美しい映像とともに、人間の無限な可能性を描いた映画。
- [2008/05/01 22:26]
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コメント
あっ、これは・・・
ヤンさん、これ、ご覧になったんですね!
前評判通り、重さはなく軽やかな作品なんですね。
尊厳の守り方が、「海を飛ぶ夢」とはかなり違うようで、
こちらも実話ですが、リアルに感じられましたか?
見ましたよ
YANさん、こんばんわ。
見ましたよ。この映画。
美しい映像が詰まった映画でした。そして、ユーモアの詰まった映画でもありました。
同じ題材や環境を描いた映画でも「海を飛ぶ夢」とは、大きく印象が違いましたが、でもね、似てるんですよ。陽と陰かもしれません。それでも、自分がどんな自分でありたいのか、どんな自分になりたいのか。20歳で自由を失った男と40歳まで生きて心の自由は失わなかった男。ともに本を遺したものの、不自由な人生を長い間熟成した男と短く散っていった男。立場の違いはあれど、最後に自分に残された想像力の力を使って自分の人生を全うした二人。どんなに不自由になっても自分自身を成す事が、その人にとっての人生の目的なのかもしれません。じゃ、人生の目的って何?、って言われると私にも分からないところは多いのですが、、、、(^.^;)
それじゃ、また。
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