君のためなら千回でも  
2008.05.01.Thu / 22:32 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




自分が思い描いた理想の人間になりたい。
しかし、人は弱い生き物。
理想どおりに生きられない自分を許し、
妥協してしまう自分がいる。
しかし、自らの理想のため、
強く自分の恐怖に立ち向かう人もいる。
自らの弱さに妥協していた少年が、
大人になった時、過去の過ちを償うため、
自分の弱さを克服する。
そんな勇気は人から人へと伝わってゆくのだろう。
人から人へと伝わってゆく勇気を描いた映画。


友を守る為、
心の中にある友情や信義の為、
そして自らの信条を守る為、
とても大きな勇気が必要な時がある。
自らの肉体に対する苦痛や命の危険をも覚悟して。

そんな勇気を父親から諭されるアミール。
しかし、アミールは、自らの弱さに妥協している。
自らの欲望の為に愛する妻を殺す話を書いたアミール。
それは、欲望に対する人間の限界と卑屈さを表しているのだろう。
人は欲望には勝てない。そんな限界を人は持っている。
そうやって、アミールは自らの臆病さを許しているのだろう。
アミールの為に苦痛に耐えた少年、ハッサン。
彼はアミールにとって、自らが成しえなかった理想を実現した少年。
そして、自分は彼を助けなかった。
そんな負い目と嫉妬、精神的な苦痛。
アミールは、ハッサンを自分の家から追い出してしまう。

大切な者を守る為の勇気。自らの理想を実現するための勇気。
例え、それが肉体苦痛を伴うとしても、それは一時的な痛み。
精神的な後悔は一生続く。

ハッサンの息子を助けるため、死地に赴く大人になったアミール。
大人になった彼は、最後まで逃げなかった。諦めなかった。
そして、最後までやり通した。
彼は、自分が成なりたかった自分に成ることができたのだろう。
そして、最後のセリフ、「君のためなら千回でも。」
それはハッサンと同じ勇気を持てたからこそ、いえるセリフなのだろう。

しかし、戦争という圧倒的な暴力の前では、個人の力は限られている。
自らの命を捧げても報われない時もある。
だが、偶然に助けられる時も、また、ある。
父親やアミールは偶然に助けられ、
しかし、ハッサンは死んでしまう。
だが、決して無駄死にではないのだ。

自分が理想とする自分に成りたい。
そんな高貴な精神と勇気は、
父親から弟へ、そして兄へ受け継がれ、
いつの日か、その息子へと受け継がれて行くのだろう。
だから、けっして無駄死にではない。
人から人へと伝わってゆく勇気を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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