予想通りの俳優たちの演技。
予想通りのストーリー展開。
しかし、予想以上の素晴らしさ。
映画とはこんなにも面白く撮ることができるのか。
役者同志のアンサンブルに魅了される、まさに映画らしい映画。
そして、ささやかな人生にも、
なにもなかったと思っていた人生にも、
幸せが確かに存在していたことを描いた映画。
ガンにより余命わずかなカーターとエドワード。
カーターは、家族を養うために夢を断念し、
エドワードは、事業の為に自らの人生から家族を切り捨てる。
それは、彼らにとっては人生の大きな後悔なのだろう。
人生には、もっと大きな喜びが存在するはずだ。
取り戻すのならば、今しかない。
彼らが自ら作成した、「Bucket List」を実践してゆくカーターとエドワード。
最初は、エドワードに、無理やりつき合わされているようなカーター。
しかし、次第に自らが積極的に楽しようになる。
逆に、エドワード以上の悪乗りで楽しみ始めるカーター。
だが、エドワードに「夫を返して、、」と懇願するカーターの妻。
一旦は彼らは彼らの人生と生活から離れて、別世界を満喫した。
しかし、それだけでは足りないのだ。
それは自分自身の人生を振り返ってそう思っているわけではない。
相手の人生を見て、相手の人生に対して、そう考えるようになったのだ。
それは、自分の人生では見えなかったことなのかもしれない。
自分にとってはとても、おせっかいな行為。
けれど、相手の為にお互いに嘘を着く二人。
されど、その嘘のため、仲たがいしてしまう二人。
いよいよ、カーターに死期が迫る。
会議中だからとカーターからの電話を後回しにしようとするエドワード。
その時、無理に取り次ごうとする秘書のセリフがいい。
「いや、電話に出るべきです!」
二人をまじかに見てきた、よき理解者ならではのセリフなのだろう。
エドワードとカーターの「Bucket List」は、
カーターの死後、エドワードに引き継がれ、
そして、最後には秘書であるトマスに引き継がれる。
後悔ばかりの人生。
しかし、二人はお互いに教えられる。
そんな人生にも、確かに宝物があったことを。
最後に宝物を見つけられた二人は、
お互いをお互いに感謝し、安らかに旅立ったのだろう。
予想通りのストーリーであるにもかかわらず、
名優、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの名演技。
お互いがお互いの良さを引き出し、思わず見とれてしまう。
CGなどに彩られなくても、
ハラハラドキドキのアクションシーンがなくとも、
映画とはこんなにも、見ていて楽しいものなのでしょう。
役者同志のアンサンブルに魅了される、まさに映画らしい映画。