世界はときどき美しい  
2008.08.14.Thu / 17:55 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




たとえ、どのような人生を送ろうとも、
世界が美しく思える瞬間がときどきやって来る。
そんな瞬間があればこそ、生きてゆける。
生きてゆけるからこそ、そんな瞬間に出会うことができる。
そんな瞬間を美しい映像で表現した映画。



自分の人生を例えるのなら、
トイレに流されるトイレットペーパー。

毎晩、心と体と財布を痛めつけ、街に繰り出す酒漬けの日々。
悲しいことが起こった時、
空いた心の傷口にかさぶたができるまで、酒に浸る。

目の前の出来事とは全く違うことを想像してしまう。
自分自身が現実の世界で生きている実感が伴わない。
「れ」に傾く私の気分。

迷子となり、似たような建物の中で
自分自身が存在する座標を見失っている幼き自分。
辛いのか、楽しいのか。
それさえも、明確に分からない人生。
よく分からないからこそ、なんとなく、不幸だな、と感じてしまう。
しかし、そんな人生の中にさえ、
世界が美しく見える瞬間が、ときどきやって来る。

この絵はあなたが書かせたと言われた時、
自分の劣等感が少しは軽くなる。

どの酒を飲もうか、オーダーを決める至福の瞬間。


この大きな世界は、どこかで自分と繋がっている。
そこに存在するものには自分にとっての意味がある。繋がっている。
そんなことを意識した時、世界は美しく見えてくる。

野に咲く雑草にも名前がある。
そんなことを知った時、
そんな、ささやかな緑にさえも親近感を覚える。
いとおしくなる。

宇宙の始まりがあるのなら、人生の始まりもある。
始まりとは容に命が与えられること。

彗星を見て癒される孤独がある。
離れていても地球の動きを感じることができたのなら、
一人でいても孤独ではなくなる。

遠くに住む肉親への想い。
近くにある見慣れた日常への想い。
意識をめぐらせば、世界は未知に溢れている。
私は母のことを何も知らない。
自分の名前の由来も知らなかった。
新しい発見が世界を新鮮に魅せてくれる。
自分は、取替えのきかないものに囲まれて生きている。
周りのものの存在と繋がりを意識した時、自然とそう、思えてくる。



題名がとてもいい。
弱き者へ寄り添うような、やさしさを感じる。

役者さん一人一人がとても生き生きしている。
画面から彼ら彼女らの人生が実感できる。

どんな人生にも、
世界が美しく思える瞬間がときどきやって来る。
そんな瞬間を美しい映像で表現した映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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