2008.08.14.Thu / 18:02
「ネタバレ」あり。ご注意願います。
現実から逃避し、しかし、
現実に縛られ、身動きが取れないでいる青年。
突然の喪失に、
未来の幸福と現在の悲劇を受け入れられないでいる少女。
すごいことをして、カッコよくこの世におさらばしたい。
これ以上の不幸をこの世から無くしたい。
だから、チェーンソー男と戦う日々を送る二人。
奴を倒したときに、二人の願いはかなうはずだった。
しかし、願いは叶わず、それでも訪れるネガティブな幸せ。
このダラダラとした幸せが、いつまでも続きますように。
この世に存在する受け入れ難きもの。
それを、最高のエンディングに挑んでみて、
受け入れることができるようになった。
受け入れ難きものを受け入れた若者を描いた青春映画。
勉強をして一流大学を卒業し、良い職に就く。
大人に言われるまでもなく、それが大切なことだとは、分かっている。
しかし、目の前の試験よりは、
遠い宇宙や果てしない未来の事に逃避してしまう山本。
能登を超えたい。でもどうやって?
譲れないことには、とことん逃げずに挑んでいった能登。
それを笑って見ているしかなかった中途半端な山本たち。
何かをしたい。でも、隣にいる自分同様に中途半端な渡辺を見て安心もする。
「おまえらは昔のガキより賢い。反抗しても何も変わらない事を知っている。」
何をしても無駄だと知っている。
だから、始める前から諦める。無駄なことはしない。
親に強制されれば、嫌でも転校を承諾し、
絵里にもチェーンソー男から逃げるように諭す。
「気をつけなさい。
楽しい時間があればあればあるほど、だんだん辛くなるから。
楽しい時は、あっという間に終わるから。」
現実に背をそむけ、
何をやっても無駄だと悟り、
自分の居場所も見つけられない。
そして、楽しいことは続かないと諭される。
だったら、自分の存在を魅せつけて華々しく散っていきたい。
しかし、踏ん切りもつかないでいる。
絵里を守る勇気もない山本。
突然の交通事故で大切な肉親を失った絵里。
理由なき喪失に、しかし、理由を求めた時、
目の前に現れたのは、チェーンソー男。
絵里は、山本との最初の出会いで必要以上に山本に冷たくする。
いいかげんな山本に自分の気持ちなど、
分かるはずがないと思ったからかもしれない。
しかし、それと同時に、突然の喪失をこれ以上、
経験したくはないと思っているからだろう。
親しくなれば失われる恐れが伴う。幸せは長くは続かない。
しかし、今の境遇を寂しいと感じているのも事実なのだろう。
徐々に親しくなってゆく山本と絵里。
山本に対して心を開き、素直になってゆく絵里。
しかし、山本の転校が決まってしまう。
二人にとってのチェーンソー男とはきっと、
人生での受け入れがたいことの象徴なのだろう。
かっこよく散ることに憧れる。しかし、身動きが取れないでいる山本。
自分はやはり根性無しなのか。
チェーンソー男とは、山本にとって、そんな自分をあざ笑う存在なのだろう。
何も悪いことをしていなくても人が死ぬ。
好きな人は遠くに行ってしまう。
絵里にとって、チェーンソー男とは、そんな悲しみの象徴なのだろうy。
けれど、人は簡単には、カッコ良くには、なれない。死ぬべきでもない。
理由のない死別は悲しいことに、人生には起こりうるのだ。
だから、チェーンソー男は、
倒すべき相手ではなく、受け入れて行くべき存在なのだろう。
山本の転校を止めるため、最後の戦いに臨む絵里。
その覚悟を知り、怖れを乗り越える山本。
絵里を守るため、自らの恐怖を克服した山本。
最高のエンディングに挑み、能登に追いついたと思った。
しかし、カッコよく散ることはできなかった。
やはり能登に負けたのか?
しかし、山本は本当は能登に勝ったのではないのだろうか?
なぜなら、山本は自分の居場所を見つけたように私には思えたから。
チェーンソー男を倒した時、何かが変わるはずだった。
しかし、なにも変わらない。
相変わらず、ダラダラとしか生きられず、悲しいことは無くならない。
退屈で薄らぼんやりとした幸せが長くは続かないことを恐れる日々。
そんなことを受け入れながら生きてゆくのだろう。
この世に存在する受け入れ難きもの。
それらを受け入れた若者を描いた青春映画。
大人に言われるまでもなく、それが大切なことだとは、分かっている。
しかし、目の前の試験よりは、
遠い宇宙や果てしない未来の事に逃避してしまう山本。
能登を超えたい。でもどうやって?
譲れないことには、とことん逃げずに挑んでいった能登。
それを笑って見ているしかなかった中途半端な山本たち。
何かをしたい。でも、隣にいる自分同様に中途半端な渡辺を見て安心もする。
「おまえらは昔のガキより賢い。反抗しても何も変わらない事を知っている。」
何をしても無駄だと知っている。
だから、始める前から諦める。無駄なことはしない。
親に強制されれば、嫌でも転校を承諾し、
絵里にもチェーンソー男から逃げるように諭す。
「気をつけなさい。
楽しい時間があればあればあるほど、だんだん辛くなるから。
楽しい時は、あっという間に終わるから。」
現実に背をそむけ、
何をやっても無駄だと悟り、
自分の居場所も見つけられない。
そして、楽しいことは続かないと諭される。
だったら、自分の存在を魅せつけて華々しく散っていきたい。
しかし、踏ん切りもつかないでいる。
絵里を守る勇気もない山本。
突然の交通事故で大切な肉親を失った絵里。
理由なき喪失に、しかし、理由を求めた時、
目の前に現れたのは、チェーンソー男。
絵里は、山本との最初の出会いで必要以上に山本に冷たくする。
いいかげんな山本に自分の気持ちなど、
分かるはずがないと思ったからかもしれない。
しかし、それと同時に、突然の喪失をこれ以上、
経験したくはないと思っているからだろう。
親しくなれば失われる恐れが伴う。幸せは長くは続かない。
しかし、今の境遇を寂しいと感じているのも事実なのだろう。
徐々に親しくなってゆく山本と絵里。
山本に対して心を開き、素直になってゆく絵里。
しかし、山本の転校が決まってしまう。
二人にとってのチェーンソー男とはきっと、
人生での受け入れがたいことの象徴なのだろう。
かっこよく散ることに憧れる。しかし、身動きが取れないでいる山本。
自分はやはり根性無しなのか。
チェーンソー男とは、山本にとって、そんな自分をあざ笑う存在なのだろう。
何も悪いことをしていなくても人が死ぬ。
好きな人は遠くに行ってしまう。
絵里にとって、チェーンソー男とは、そんな悲しみの象徴なのだろうy。
けれど、人は簡単には、カッコ良くには、なれない。死ぬべきでもない。
理由のない死別は悲しいことに、人生には起こりうるのだ。
だから、チェーンソー男は、
倒すべき相手ではなく、受け入れて行くべき存在なのだろう。
山本の転校を止めるため、最後の戦いに臨む絵里。
その覚悟を知り、怖れを乗り越える山本。
絵里を守るため、自らの恐怖を克服した山本。
最高のエンディングに挑み、能登に追いついたと思った。
しかし、カッコよく散ることはできなかった。
やはり能登に負けたのか?
しかし、山本は本当は能登に勝ったのではないのだろうか?
なぜなら、山本は自分の居場所を見つけたように私には思えたから。
チェーンソー男を倒した時、何かが変わるはずだった。
しかし、なにも変わらない。
相変わらず、ダラダラとしか生きられず、悲しいことは無くならない。
退屈で薄らぼんやりとした幸せが長くは続かないことを恐れる日々。
そんなことを受け入れながら生きてゆくのだろう。
この世に存在する受け入れ難きもの。
それらを受け入れた若者を描いた青春映画。