キル・ビル  
2008.08.23.Sat / 14:52 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




男と女の関係以上に深く愛し信頼しあっていた二人。
その愛の深さ故に繰り広げられる復讐劇。
タランティーノ監督が愛した様々な映画へのオマージュが詰まった映画。
そして、殺し屋という救い難き人々の生き方を描いた映画。


ブライドは一流の殺し屋。
様々な殺しの技を持ち、皆にも一目置かれていた存在。
しかし、思わぬ妊娠が、
彼女の殺し屋としての人生を狂わせて行く。

授かった赤ちゃんの為に、すべてを捨てようと決心したブライド。
しかし、殺しの仲間から裏切り者として、すべてを奪われてしまう。
一流の殺し屋であるブライドならば、
組織を裏切った自分が殺されるのは、
仕方ないことと理解していることだろう。
見ず知らずの自分を受け入れてくれた人々が殺されたのも、
悲しいことには違いない。
しかし、それ以上に、
すべてを捨てて育てようとした赤ちゃんを奪われたことは、
ブライドにとっては許せないことであったのだろう。
復讐をするのなら、まず娘を殺し夫を殺しお前を殺す。
しかし、これは単純な復讐ではない。
確かに赤ちゃんを殺したのは5人の仲間たち。
しかし、本当の理由は、自分が殺し屋だったから。
殺し屋として背負った宿命が赤ちゃんの命を奪ったのだ。
だから、きっと、ブライドは仲間達を殺すことで、
自らの過去を清算するために、この復讐を始めたように私には思えた。

オーレンとブライドは似た者同士。
多分、オーレンが同じ立場であるのなら、
やはり赤ちゃんを選択したのではないのだろうか?
お互いがお互いの過去を、事情を知りつつも、
しかし、刀を交えることにより、より深くお互いを知るようになる。
だからこそ、あの決闘のシーンは美しく感じるのではないのだろうか?

日本の様でいて日本で無い、クライマックスの青葉屋。
やりたいこと、描きたいことの為に、
あえて細部を徹底的に無視する姿勢は気持ち良さすら感じる。
栗山千明さんの切れ具合も気持ちいい。

この映画には、タランティーノ監督が愛した様々な映画への、
オマージュが詰まっている。
Vol1は、主に日本のヤクザ映画へのオマージュなのだろう。
見栄を切るシーンなどは、慣れない日本語よりは、
母国語である英語を使ったほうがよほど、かっこいいはずだ。
GOGO夕張とブライドとのやり取りの後半などは、
お互いが母国語を使っているので、緊迫感がある。
しかし、あえて慣れない日本語を使うあたりに、
タランティーノ監督の深い愛情を感じる。
タランティーノ監督がやりたいことをやりまくった映画。

Vol2に続く。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
私はこれは1だけ観て、2はもういいかなと思って観てません。(^_^;
タランティーノ監督は本当に日本の仁侠映画が好きなようですね。
監督から見ると、日本映画はこう見えるという、
外国人の目を通した任侠の世界が面白かったです。
内容よりも、監督の愛情や遊び心を楽しみました。

2008.08.23.Sat / 18:12 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんにちは。

 あら、YANさんは2は見てないのですね。2は1より結構ストーリー重視の映画でしたよ。それでも、やはりタランティーノでしたが、、
 2まで見るとタランティーノは、日本映画だけではなく、いろんな映画を、特にB級映画をこよなく愛しているんだあ、と感じました。そして好きなことのためにはとことんやってしまう人だとも思いました。

 それじゃ、また。

2008.08.26.Tue / 12:20 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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