乙女の祈り  
2008.11.09.Sun / 22:25 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




美しき者と醜き者。
賢き者と愚かな者。
自分たちを理解できる者とできない者。
味方と敵。
そして、彼女たちと、その他の人々。
一切のあいまいさ、妥協を許さず、
極端で純粋な、自分たちの世界を突っ走ってしまった
少女たちを描いた映画。


女学校で巡り合ったポウリーンとジュリエット。
生活環境や性格は違えども、
闘病生活という経験と、夢の世界に強く憧れるという点で、
お互いがお互いにかけがえのない存在となってゆく。

この世には理不尽な事が多すぎる。
小言ばかり言う母親。教養がない父親。
娘をおいてイギリスに旅行に出かける父と母。
再び始まる結核との闘病生活、そして自由に会えなくなった二人。
そんな理不尽なことが起こるたびに、
彼女たちの幻想は、強く、硬く、純粋に育ってゆく。
彼女たちの世界は純粋故に単純だ。
美しい者と醜い者。
美しさを理解できる者と理解できない者。
通常であれば、混沌として、これらの境目はあいまいだ。
しかし、彼女たちの世界では、すべては両極端に分けられる。
そして、自分たちの邪魔をする者は、
醜き者で愚かな者であり、排除してもかまわない者なのだ。
なぜなら、二人は第四の世界を見ることができる、
選ばれた特別な存在なのだから。

彼女達の世界が大きくなるにつれて、、
その世界のディテールも膨らんでゆく。
だが、反対に彼女達の世界は、現実感覚を次第に失ってゆく。

オーソン・ウェルズの写真を川に流すと同じ感覚で、
浮浪者に怯えることを楽しむと同じ感覚で、
そんな感覚の延長線上で、
きっと彼女たちは邪魔者である母親を、
排除することを決めたのではないのだろうか?
しかし、大人達はそれに気づかない。

最後に描写される母親殺しは実に残酷だ。
これこそが、現実だと言わんばかりの迫力を持っている。
彼女達は、人を殺すという現実をどのように受け入れたのだろうか?


自分たちの純粋な世界を守る為、
すべての醜き者を、邪魔をする者を排除していった彼女たち。
純粋で極端な自分たちの世界を突っ走ってしまった
少女たちを描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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