スターライト・ホテル  
2008.12.28.Sun / 18:08 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




もしかしたらこの映画は、
万人にとっての名作には、なりえないのかも知れない。
しかし、私にとって、この映画はまぎれもなく名作だ。
美しさと、清清しさ、そして儚さ。
底辺に生きる人々の優しさ。
そして、少女と永遠を描いた映画。


両親がいない生活に反発を覚えるケイト。
したい事はやれ、と諭され、ついに家出を実行に移す。

貧しい人々の為に抗議し、
しかし、事故に巻き込まれるパトリック。

出会いは偶然であったのかもしれない。
そして、旅を共にしたきっかけは、
お互いを利用したかったからなのかもしれない。
しかし、最初に出会ったその時に、すでにケイトには、
パトリックの心の底には、優しさがあることが判ったのだろう。
だからこそ、彼についていったのだろう。

道中、いつもいがみ合っているように見える二人。
つまらない事でケンカし、言い争い、
何度も道を違えようとする。
しかし、二人が本気でケンカをしているようには決して見えない。
なんだかんだと言いながらも、結局は共に旅をする二人。
徐々に明かされてゆくパトリックの過去、そして彼の罪。
捕まれば死刑になるかもしれない。
しかし、ケイトの為に船出を諦め、
彼女を探し出すために警察にまで乗り込むパトリック。
パトリックは、今まで様々な事から逃げ出してきた。
戦争に行くために恋人と別れ、
今又、犯罪を犯して国を離れようとしている。
しかし、自らの身を危険にさらしても、
逃げては行けない事、守らなければならない事があるのだろう。
それは、自分を慕ってくれているケイトの純粋な想いであり、
その気持ちに応えたいと願う自分自身の良心だ。

旅の終わりは二人の別れ。
そんなことを意識し始めた二人の旅がとても切ない。

旅の途中、寄り道をしたパトリック。
寄り道したのは昔の恋人に会う為?
いや、本当はケイトの母親に会う為だった。
そんなパトリックの気持ちが、とてもうれしい。

後少しで目的地。
しかし、警官に橋の上に追い詰められる二人。
パトリックの身を案じ、一人で逃げるように叫ぶケイト。
しかし、パトリックはケイトを見捨てない。一人置いてはいかない。
二人の強い絆を感じさせる名シーン。

川に落ち、しかし、生還を果たしたパトリック。
再会した二人の最後の会話も、とても粋だ。


パトリックはケイトを相棒と呼んでいた。
しかし、ケイトのパトリックへの想いは、もっと複雑だ。
それは、初恋に近いものなのだろう。
シドニー行きの荷物を万感を込めて見送るケイト。
これまでの事への感謝の思い、旅の無事を祈る気持ち、
そして、別れの寂しさ。
それは、淡い初恋の終焉、しかし、未来での再会への希望。
ケイトは、その光景をきっと忘れはしないだろう。
少女と永遠を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.650 / タイトル さ行 /  comments(6)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from タケヤン -

ヤンさん、遂に「スターライトホテル」御鑑賞、
おめでとうございます。 パチパチパチパチパチ・・・。
ねっ、ねっ、名作ですよねぇ、これは。
まさに「隠れた名作」と呼ぶに相応しい映画ですよね。
そしてヤンさんの感想を読めば、さらに味わいが増すというものです。
しかしアレですね、上手いラストシーンでしたよね。
「返せよ!」「返してね!」だなんて、凄く粋な別れのシーンというか
永遠に記憶に残る名シーンと言ってもいいです。

あ、「さよなら。いつかわかること」も御覧になってますね。
今年はアメリカでこういうイラク戦争物が多く作られたみたいで、
中でも、戦争そのものよりも、戦場から帰ってきた帰還兵達の地元での
生活とか、戦場に行く本人じゃなくてその家族のこととか、そういう
ことを描いた作品が多かったように感じました。
で、「さよなら。~」はジョン・キューザックがいいですよね~。
ちょっと頼りなさげなお父さんがピッタリ。
クリント・イーストウッドが担当したという音楽も良かったですぅ。

2008.12.28.Sun / 22:40 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

タケヤンさん、こんばんわ。

 本当は、いの一番にタケヤンさんの処に行って、お礼を言わねばなりませんでしたのに、先を越されました。残念。
 まさに、「隠れた名作」でした。ラストシーンの「返せよ!」「返してね!」も粋でしたが、「泣くのは、たまによ。」ってセリフも良かったですよ。ケイトがシドニー行きの貨物を見送るシーンも良かったです。

 「さよなら。いつかわかること」ですが、ジョン・キューザックは良い役者になりました。最近、いろいろな映画に出てますが、どの映画も良い演技を魅せてくれています。この映画でも、頭でっかちなお父さんが、徐々に娘たちや母親の死に心を開いていく様が上手に描かれてました。

 それじゃ、また。

2008.12.30.Tue / 21:07 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from YAN -

ヤンさん、遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます★

これは、ヤンさんにとっての名作なんですね。
タイトルも全く知りませんでしたが、
優しそうな切なそうな、味わい深い作品のようですね。

ところで、ブログ名の変更のお知らせをしようと思ったんですが、
なんともう変更してくださってたんですね。
ありがとうございました!

今年もスローペースになりそうですが、
楽しくお話をしていけたらいいなと思っています。
よろしくお願いしますね!

2009.01.06.Tue / 17:54 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

新年のご挨拶、ありがとうございます。
 実は、すでにYANさんの所にはお邪魔しておりまして、本当なら新年の挨拶をせねばならないところ、不精してすいません。ブログの名前、良い感じですよ。日本語と英語が混じってても、全然OKですよ。
 ところでこの映画は、とても良い映画ですよ。DVD化されていない、劇場公開も広くはされていなかった、それでも名作というものは存在するんですね。だから、映画を見ることを止めることはできません。機会はめったにないかもしれませんが、もしあったら、ぜひ。

 それじゃ、また。

2009.01.06.Tue / 20:54 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from はたさん -

私の人生を変えた映画です。
とにかく美しい、風景も、少女も、そして青年も・・・。
ビデオテープを1万数千円で入手し、DVDでデジタル化し大事にしてます。
もちろん、個人で楽しむために・・・。

2017.06.06.Tue / 02:02 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

はたさん、初めまして。

コメント、ありがとうございます。
この作品はネットで知り合った方に紹介していただき、
見たいとずっと思ていましたが、
やっと、ビデオを入手して、(私の場合は中古でしたが、)
鑑賞することができました。
本当に名作ですね。
苦労して得た甲斐がありました。
人生を変えた映画、ですが。
わかる気がします。
そういう作品は、大切にしたいですね。

それじゃ、また。

2017.06.07.Wed / 00:09 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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