狩人と犬、最後の旅  
2009.01.15.Thu / 21:47 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




美しくも圧倒される自然の美しさ、そして、厳しさ。
老狩人自身の口から語られる、彼の生きる哲学。
それが彼自身によって、実践される様。
しかし、それらも徐々に失われてゆく。
開発という名の自然破壊により失われてゆく理想郷。
そして、寄る年波には勝てない老狩人。
理性では引退を考えても、
しかし、彼は本能ではそれを望んではいない。
彼の狩人としての旅は、
彼の命が尽き果てる最後の旅まで、続くのだろう。
老狩人の最後の旅への様を描いた映画。



大自然と共に暮らす老トラッパー(罠猟師)ノーマン。

何者をも拒絶するかのごとく、雄大な大自然。
確かに美しい、しかし、厳しい。
そこでは、死は、いつも我が身と隣り合わせだ。

突如として遭遇する巨大な熊。
群れを成して襲おうとする飢えた狼の群れ。
濁流に馬ごと流され、
安全だと判断した氷が裂け、我が身を飲み込もうとする。
その中で一人、狩りをするノーマン。
犬たちがそばに居なかったのなら、
多分、すでに死んでいただろう。
しかし、ノーマンは自然を怖いとは感じていても、
拒絶するわけでもなく、征服しようとするわけでもない。
彼の哲学は、常に自然と共存すること。

必要なものを必要な量だけ獲る。
動物を殺しても許しは請わない。ただ、感謝するだけ。
自分が死んでも探さないで欲しい。
何故なら自分の死が他の生き物達の糧になるから。

自然は人間の手で調節しなければならない。
それは、自然の調和を保つために、自然から与えられた、
トラッパーとしての役割なのだ。
それは管理者として、
自然に関与しなければならない、というわけではないのだろう。
調和して生きる生物たちの、
それぞれが果たさなければならない大切な役割なのだろう。

年を取り、疲れ果てて引退を考えてみる。
しかし、彼は引退はしないだろう。
これが、最後の旅と覚悟を決め、
それを毎年繰り返してゆくのだろう。
彼が、猟の旅の途中に命果て、
本当に最後の旅となる、その日まで。
老狩人の最後の旅への様を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.653 / タイトル か行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from 猫人 -

こんばんわ、ヤンさん!

雪山の風景と老人と犬の生活、
強いメッセージが込められていて面白かったです。

>自分が死んでも探さないで欲しい。
>何故なら自分の死が他の生き物達の糧になるから。
この文章に打たれました。
並の精神では越えられませんね。

TBありがとうございました!
また遊びにきますー♪

2009.11.15.Sun / 20:29 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

こんばんわ、猫人さん。

相変わらずの遅レスですいません。
トラッパーという人たちの生き方、人生哲学には心を打たれる映画ですね。
でも、都会で安楽に暮らしている私からすると、
素晴らしいとは感じても、敷居がとても高い生き方です。
確かに、並みの精神では超えられませんね。

それじゃ、また。

2009.11.18.Wed / 22:14 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY
人と犬の真実のドラマ 【感想】 長年にわたりロッキー山脈で狩人として暮らしてきたノーマン・ウィンターの最後の猟のお話し。 雪山の...
2009.11.15.Sun .No344 / Recommend Movies / PAGE TOP△

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.