ザ・バンク 堕ちた巨像  
2009.08.06.Thu / 21:35 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






過去に深い傷を持ち、だからこそ巨悪に挑む男。
様々な妨害、様々な困難。巨大すぎる敵。
だから、男は目的の為には理想を捨てるしかなかった。
しかし、悪は滅びない。無くならない。
果たして彼が追いかけてきた悪とはいったい何なのか?
様々な要素が詰まった、巨悪に挑む男を描いたエンターテイメント映画。
それ以上に、私にとっては、
映画で描かれる悪も様変わりしてしまったという印象を持った映画。


過去に深い傷を持つインターポールの捜査官、サリンジャー。
同僚と共にIBBCの悪事を捜査するものの、
同僚は殺され、捜査の前には大きな壁が立ちふさがる。
最初は、国際的な巨大悪を追求する社会派映画かと思っていた。
しかし、この映画は、アクションエンターテイメント映画なのだろう。
同僚が吐きながら道に倒れこむ姿は、掴みとしてはとてもショッキング。
カルビーニの狙撃シーンの緊迫感。そして、その真相を見破るサリンジャー。
球形であることを見事に生かしたグッゲンハイム美術館での銃撃戦。
捜査打ち切りにも怯まず、理想を捨てて悪を追うサリンジャーの執念。

最後にサリンジャーは、IBBCの頭取を追い詰める。
しかし、彼は言う。私が死んでも終わらない。
その言葉は正しい。だからこそ、躊躇するサリンジャー。
ならば、誰が主犯なのだろうか?
それは、きっと組織そのものなのだろう。

人が金を儲ける為に作り上げた組織。
そして、組織を維持するために作り上げた権力の構図。
いつしか、それらは人の制御の範囲を超えて、
人は組織自体に、それを維持するための駒として、
使われてしまうようになったのだろう。
駒には、代わりは幾らでもある。
だから、たとえ頭取を殺害しても組織は無くならない。
そこが、とてもリアルに感じられる。

以前であれば、このような悪が映画に登場することの無かっただろう。
なぜなら、悪が倒れる快感が無いからだ。
けれど、この映画ではサリンジャーの理想を捨て去る決心も空しく、
引き続き悪との戦いが続いていくことが示される。
私にとっては、
映画で描かれる悪も様変わりしてしまったという印象を持った映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.715 / タイトル さ行 /  comments(2)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from タケヤン -

もっと知的なサスペンスかと思ってたら、
意外とエンターテインメントしてましたよね。
でも、あの派手な銃撃シーンはなかなか見応えがありました。
ラストの「悪は滅びることは無い」という、ちょっと不気味な
余韻が残るあたり、なかなか俺好みでしたが・・・。
映画の中で悪が滅びないなんて「そんなの許せないっ!」って
いう人には後味の悪い映画ってことになるんでしょうねぇ。

で、問題のハルストレム監督「HACHI 約束の犬」ですが
素早く観てきちゃいましたよ、うへへへへ(笑)
いや、直前まであんまし観る気なかったんだけど、たまたま
他に観たい映画がなかったので・・・(汗)
ヤンさん、これはね、絶対観るべきです(キッパリ!(笑))
ヤンさんはこれのオリジナルって観てますかぁ?
俺は観てないんだけど、両方観た人はハルストレム版の方が
いいと言ってましたよ。 うふふふ(笑)

2009.08.14.Fri / 22:18 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

タケヤンさん、こんばんわ。
レス遅くなり、毎度、すいません。
私のパソが逝ってしまいまして、
復旧に夏休みの半分くらい使っちまいました、あああ、、、

 この映画は、確かにエンターテイメント、
(しかもかなりド派手に)してましたね。
それでも、この映画の監督はただではおきないというか、
最後には、余韻が深く終わってましたね。
覚悟を決めて道を外したのに、
結局は撃てなかったサリンジャーはあの後、
どうしたんでしょうかね?
そのあたりも不思議な余韻が残る映画でした。
 
 そして!!!!
 見ましたよ、隊長。「HACHI」
 分かりますよ、その「きっぱり」の気持ち。
これは素晴らしい映画でした。
やはりハルストレム監督です。
信じてよかったですよ。本当に。

 それじゃ、また。

2009.08.18.Tue / 22:20 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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