天国と地獄  
2003.05.17.Sat / 22:17 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

人間は「天国」と「地獄」を簡単に作ることができる
そこを天国と思えば天国であり
地獄と思えば地獄となる
それは、その人の欲の深さが決めることであろう

しかし、本当の天国と地獄は別なところにある
当然ではあるが
犯人は地獄に足を踏み入れてしまった

面白いだけではない
良心をもった映画


見事な映画です。
まったく無駄の無い、引き込まれるようなストーリー展開。
心理描写を巧みに演出するシーン。役者の立ち位置。カメラアングル。
しかし、それでけではありません。
私は、この映画に「良心」を感じました。

この映画には、多くの「天国」と「地獄」が登場します。
三船敏郎演じる権藤は、映画の冒頭で天国に行きかけ、
しかし、不幸なこの誘拐事件により、天国と地獄を選択させられます。
しかし、彼の妄想していた地獄の現実は、
借金だらけではありますが、小さな会社を任されるというものでした。
きっと彼の夢である、自分の靴作りも可能なことでしょう。
多分、子供を見捨てる決断を下せば、良心の呵責により、
本当の地獄が待っていたのではないのでしょうか?

一方の犯人は、自分の置かれている状況を地獄であると思っているようです。
「昼は暑くて寝られず、夜は寒くて寝られない」
としか語られていない彼の地獄を想像するのは難しいことです。
しかし、インターンとはいえ、医者という職業に就きかけているわけであり
ある意味で成功しかけてると考えることもできます。
丘の上の豪邸を天国とすれば、今の自分の置かれている状況は地獄でしょう。
しかし、この映画に登場しているもっと悲惨な生活、麻薬中毒者たちから
すれば、今の生活は天国かもしれません。

映画の後半では、犯人が徐々に追い詰められていくさまが描かれます。
すでに、彼は本物の地獄に足を踏み入れているように思えました。
いつ、つかまるのか、いつ自分が犯人であるのがばれるのか、、、
そしてついには極刑になります。
よくあるこのような映画では、
犯人は死を恐れず、この世をあざ笑い、死んでいくことが多いような気がします。
しかし、この映画では、それを許しませんでした。
犯人は怯えながら死んでいくのです。強がりながらも、、、
それが本当の地獄なのです。
そしてこの映画では、
容赦のない問答無用なラストを用意して犯人を突き放します。
私は、この点にこの映画の良心を感じました。

そしてこの良心を支えている仲代達矢演じる戸倉警部の、
静かで穏やかではありますが、芯の強い演技にも感動しました。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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