2009.10.01.Thu / 20:37 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






実話に基づいた、ドキュメンタリーのようにさえ感じた映画。
佐々部監督は、集めてきた映画の素材の良さに、
できるだけ手を加えず、映画に写そうとする監督のように感じてきた。
ここで言う素材とは、実話に基づいた原作であったり、
役者の見事な演技であったり、背景となる美しい自然であったり、、
時に、それぞれの素材の良さが別な方向を向き、
不協和音を奏で、映画としては一貫性に欠ける時もある。
しかし、同じ方向を向いた時は素晴らしい映画になりうる。
馬と人との絆、その絆の深さにより共に変わってゆく両者。
共に歩み成長した馬と人との絆を描いた映画。



かつては競馬界の女王であったサクラコスモス。
しかし、今は、不自由な目の為に引退してしまい、
それ故に心を閉ざしている。
サクラコスモスの担当になった、香苗。
しかし、早苗はコスモの気持ちがわからない。
だから早苗はコスモのことをバカ馬と呼んでしまう。
しかし、本心では、早苗はコスモのことが好きなのだろう。
第一線で活躍した過去の栄光。しかし、それも失われ、
今は目が徐々に見えなくなる恐怖に心を閉ざしている。
しかし、早苗には、そんなコスモの恐れも理解できてはいない。

馬はペットではない。
馬とは信頼してくれた人間に信頼で応えようとする動物。
それが馬の生き方なのだろう。
キングは賢治を信頼し、賢治を体を張って守った。
けれど、キングは、もう、
賢治の信頼に応えることができない体になってしまった。
もう、キングは、
キング自身の生き方が出来ない体になってしまったのだ。


なにか劇的なことがあったわけではない。
しいて言えば、離れ離れになってお互いの存在の大切さに、
気付いたことなのだろうか?
徐々にコスモは早苗に心を開き、
早苗はコスモのことをバカ馬とは呼ばなくなっていった。
そして、コスモの出産に立ち会う早苗。
待ちわびていた新しい命の誕生。
このとき、コスモは心から早苗のことを信頼したのだろう。
それは、本当に幸せな光景。


こんな日が来るとは思ってもいなかった。
コスモが再び競技場に、その雄姿を見せる日が来ることを。
目が不自由な馬がバーを飛ぶ。
その奇跡を生み出したのは早苗とコスモの信頼関係。


自分たちの自由時間を拘束されてでも、
馬の世話をする高校生達。その苦労が多い分、
高校生活が終わる寂しさも、そして満足感も大きいはずだ。
最後に自分の名前を消す、早苗。
寂しい、けれど、充実した想いも抱えていたのだろう。
そんな想いを抱えて、多分、東京の大学に、
モスカのいる場所に旅立っていったのだろう。

四季の美しさ。
馬術部という活動の想像以上の厳しさ。
骨折し薬殺された馬。
出産、しかし別れ別れになる母馬と子馬。
そして、目の不自由な馬と高校生との絆。
それぞれが、見事に調和して、
人と馬との絆、そして共に成長する姿を映し出している。
共に歩み成長した馬と人との絆を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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