東南角部屋二階の女  
2009.10.08.Thu / 21:33 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人には、どうしても自分自身で決めなければならないことがある。
たとえそれが、他人から押し付けられたことだとしても。
たとえそれが、他の人から大切ななにかを奪う結果になるとしても。
そして、他人を裏切り、迷惑を掛けることになるとしても。
様々な要因が背中にのしかかり、決断することが難しくとも、
自分自身で決めなければならないことがある。
逃げていれば、人が勝手に決めてくれるかもしれない。
避けていれば、その責任から逃げられるのかもしれない。
しかし、自分で決めなければ将来に後悔を残す結果になるのだろう。
そんな時に重要なことは自分自身。
決めることから逃げていた男二人。
しかし、最後には自分自身に従い自分自身で決意する。
そんな男たちを描いた映画。


会社を退職した男二人、野上と哲。

野上は借金を払うことに疲れていたのだろう。
自分の責任ではない、父親から押し付けられた借金。
そんな借金を清算し、人生をリセットしたかったのだろう。

しかし、その決断ができない野上。
アパートを売ることは、おじいちゃんと夏目さんの、
大切な場所を奪うことを意味しているからだ。
だから、おじいちゃんに決めさせようとしている。
彼は決めることの痛みから逃れるために、
卑怯にもおじいちゃんに決めさせようとしているのだろう。
しかし、聞こえているはずなのに無視をする、おじいちゃん。
私には、アパートを売りたくないという意思表示というよりは、
決めることから逃げている野上に対する、
無言の抗議だったように思える。


哲は、本当はしたいことがあるのだろう。
冒頭での博物館のシーンから、それは見て取れる。
嫌な仕事を押し付けられて止めたのは、
きっかけに過ぎないのだろう。
本当は行ってみたい場所、やってみたい仕事がある。
しかし、周りに流され、決断を先延ばしにしている。

確かに物事を決めることは勇気がいる。
重い責任、将来、周りの人のこと、、
決める為には、様々なことを考えなければならない。
躊躇するのは当たり前のことなのかもしれない。

しかし、女性は強い。
今を懸命に生きる涼子さん。
そして題名でもある、夏目さん。
許婚の兄の世話をする夏目さんは、
自然にそうなったと周りは言っているが、
自然にそういう関係が出来上がるとは、到底思えない。
それは、夏目さん自身が、この人生を選んだからであろう。
そして今、自分の大切な場所を、
自分の意思で野上のために手放そうとしている。

自分で決めなければならない重大なこと。
そんな時重要なことは自分自身。
自分は何がしたいのか、何を求めているのか、、
夏目さんはきっと、自分の心の声に従って、
物事を決めて生きてきたのだろう。

そして、人生を決めた野上と哲。
彼らもやはり、自分自身の内なる声に従ったのだろう。

かなり挑戦的な画面創り。
暖かくて懐かしく、どこか寂しげで厳しくもある雰囲気。
居るだけで画面がしまる塩見三省さんがとても良い。

決めることから逃げていた男二人。
しかし、最後には自分自身に従い自分自身で決意する。
そんな男たちを描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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