アバター  
2010.01.14.Thu / 21:00 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




アバターもえくぼ


せっかくの複線が、あまり上手には生かされてはいない。
せっかくの登場人物が、あまり上手には生かされてはいない。
ストーリーの前半では、
かなり面白くなりそうな雰囲気を持っていたにもかかわらず、
後半、アクションシーンに突入すると、
途端に、勧善懲悪で単純明快、
一本調子で予想通りのストーリーになってしまう。
けれど、面白くないわけではない。
そんな欠点を補って余りある3Dの効果。
逆にシンプルなストーリーでさえ、この映画の魅力に見えてくる。
なぜなら、3Dが十分に楽しめるから。
画面から感じる浮遊感。立体感。
細部にまで描きこまれたナヴィ族やパンドラの生き物。
海軍の数々のメカの迫力。
まさに体感する映画。



足が不自由にもかかわらず、兄の代わりに
惑星パンドラに派兵された主人公、ジェイク。
足が不自由故に、最初にアバターにリンクした時に感じた感動。
地面に触れる足の感触、自由に動き、駆け回れる足の存在。
自由を取り戻した、この感動も、その後の話に生かされていないのが残念。
さらには、兄の存在もあまり生かされてはいない。

パンドラにある基地。そこにいる大佐と鉱物資源開発の責任者。
大佐は、典型的な、筋肉で物事を考えるような軍人。
鉱物資源開発の責任者は、株主や会社のことが最優先な男。
この責任者を演じるのが、ジョヴァンニ・リビシ。
前半、妖しい雰囲気で怪演していたものの、
アクションシーンになると、ちょっとしか出番なし。
争いごとで物事を解決しようとしたことを反省しているように見えて、
しかし、なにもせず、パンドラを追い出されてしまう。ここも残念。
ジェイクがナヴィ族にコンタクトを果たす。
ジェイクと共にパンドラにやってきた男、ノーム。
彼はこの任務の為に膨大な時間を訓練に費やしてきた。
しかし、一番美味しいところをジェイクに持っていかれてしまった。
これは、彼にとっては面白いはずもない。
いつ裏切るのか?と注目していても、最後まで何もせず。

パンドラの星の内部では、
様々な植物が恐るべき速さで情報を交換しているらしい。
そして、その内部ではなにか想像がつかない様な現象が発生している。
それは、パンドラの神、エイワにも関連しているらしい。
きっと、パンドラの地下に眠る稀少鉱物にも関係しているのかもしれない。
と、そこまで神秘性を持たせておきながら、
最後のオチは、パンドラの神がナヴィ族を助けるというもの。
もっと、何かすごい秘密があるのかと、期待したのに、残念。

アバターとリンクするたびに、
現実とアバターとの区別がつかなくなるジェイク。
これが仮想現実の怖さなのか?
例えば、アバターにリンクしたまま、アバター自身が死んでしまえば、
元の肉体はどうなってしまうのだろうか?
まあ、そんな事もどうでもいいことなのだろうか?


しかし、それら残念を補って余りある3Dの効果。
飛ぶ、落ちる、が現実の感覚を伴って再現される。
画面の構図やアクションも実に3Dの効果を高めるために、
計算され尽くされている。
例えば、横に並んだナヴィ族を正面から撮らえるよりも、
斜めからとか、横から写した方が、この場合は適している。
急降下する場合も遠くから捉えるよりは、
降下を追って写した方が断然良い。

アクションシーンを生かすために、
ストーリーが途中から単純化されたのだとしたら、
それは確かに致し方ないのかもしれない。
むしろ、途中から単純になったストーリーも欠点ではなく長所に見えてくる。
しかし、それでも残念なのは、主人公が
解決方法として戦争を選んでしまったことだ。
部族を集めて対抗すれば、人間も軍隊を総動員する。
そんな愚かしい光景を描くことで、戦争の空しさを描いたのだろうか?
でもそうは思えない。確かに細かなことなのかもしれないが、
最初に3Dを導入した映画史に残るであろう記念すべき映画なのだ。
もう少し配慮があっても良かったのでは?
そこが残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.752 / タイトル あ行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

確かに。
突っ込みどころはいろいろありますね~
でも、映像のとてつもない迫力や美しさに満足できるから、
ストーリーが単純でもえくぼに思えてくるんですよね。

戦争に持っていかない解決法、
それも「もののけ姫」に似ていると言われないような方法、
私も見てみたかったです。

2010.01.15.Fri / 17:13 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

こんなオヤジギャグに、話をあわせていただいてすいません。
突っ込み所は本当に沢山。
でも、観ている間は忘れてしまうんですよ。
しかも、話が込み入ってない分、
純粋に画面にのめり込めるんですよね。

戦争に持っていかない解決方法。
難しいですね。それもで見せて欲しかったです。
前日に「グラン・トリノ」見たばかりだったからかもしれません。
「ナウシカ」にも似ていると言われないような方法、、、
やはり難しいのでしょうね。

それじゃ、また。

2010.01.17.Sun / 21:52 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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