感染列島  
2010.01.26.Tue / 21:03 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






三つのストーリーが入り混じり、
どれもが中途半端に終わってしまった感が否めない映画。

映画の前半は、未知の感染症が広がってゆく様。
果敢にも戦いを挑む医師と看護婦たち。
しかし、全ての命は救えない。
自身が苦しむ人々の生死を決めなければならない厳しさ。
デマに惑わされ、善良な飼育経営者は死を選ぶ。
安全を求めて逃げ惑う人々。
しかし、病院ですらもはや安全ではない。

映画の中盤は、ウィルスが何処から来たかを探る旅。
そこで語られるのは、共生の考え。
ウィルスも人間も、その宿主を殺そうとする。
しかし、宿主が死ねば、ウィルスは生きてはいけない。
同様に、地球が滅びれば、人間も生きられない。
すべてを受け入れ共生する事が大切なのだ。

映画の後半は、人の生き方を描いたパート。
たとえ自らに未来が無いとしても、
自分の大切な人のため、愛する人のため、
希望を残そうとする生き方を描いたパート。

どれもが、大切なことを描いているにもかかわらず、
しかし、中途半端に終わってしまった感が否めない。
そして突っ込みどころも多い映画。
とても残念な映画。




ある日、突然流行りだす感染症。
原因も特定できないまま、多くの人が犠牲となる。
自ら志願して過酷で危険な治療に従事する医師や看護婦たち。
しかし、現実は厳しい。
不足する医療機器。
病院の収容能力をはるかに超える患者数。
混乱し我先にと逃げ惑う人々。
昨日までは誠実に鶏を飼育していた男。
しかし、心無き周りの非難に耐え切れず自ら死を選ぶ。
確かにこれは極端な例を映画として描いている。
しかし、私たちの周りの社会環境の不備を見ていると、
明日、レベルは違えども同じような事が起こっても、
不思議ではないと思わずにはいられない恐ろしさがある。
現場では、苦しむ人々の生死を、
自らが決めなければならない厳しさがある。
そんな現実を無視したような今のあり方にも、
問題を提起しているようにも感じられる。


果たしてウィルスは、どこから来たのか?
その発生源を探る松岡。その旅で知った様々な事。
さまざまな科学薬品で荒れ果てた島。
そのために島民は島の奥にまで行かねばならず、
結果として新種のウィルスに感染する。
感染症を隠したエビの養殖会社。
つまり、このパンデミックは人災であるということだ。
しかし、同行した仁志の言葉、ウィルスとの共生。
共に助け合わなければ生き残れない、それが自然の摂理。
唐突感は否めないものの、
ウィルスを封じ込めることに主眼が置かれたストーリー展開と相まって、
この言葉はとても新鮮に響く。


遂にウィルスに感染してしまう、栄子。
科学的には根拠が無い血清療法。
しかし、その治療に望みを賭ける栄子。
自らが助かりたいからという訳ではないのだろう。
自分の体を使った、この実験で、
人類が、このウィルスの治療に対して、
少しでも前進ができるのであれば、、、
それだけでも栄子にとっては、やってみる価値はあるのだ。
残念ながら栄子は帰らぬ人となる。
しかし、栄子の残したりんごの木は、
茜の生還という形で松岡に受け継がれていく。


3つのパートがそれぞれ持つ心に残る台詞。
それ自身が一つの映画に成り得る位に重みを持っているにもかかわらず、
この映画では中途半端にしか描かれず、そこがとても残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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