皆月  
2010.02.25.Thu / 16:14 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人は愛する相手をどのように選ぶのか?
どんな基準で、共に暮らす人を選べば幸せになれるのか?
月は他人を照らさない。
そんな人と暮らしても自分が枯れてゆくだけ。
しかし、他人から見れば、月であったような人も、
自分にとっては太陽となりうる不思議さ。
そして、容姿や持っている財産などとは、それは無関係。

自分にとっての太陽を見つけ出せた人は幸せであり、
決して手放してはいけないのであろう。
しかし、人は簡単に、そんな過ちを犯してしまう。
自分にとっての太陽を探し、その大切さを再認識した人々。
男と女の関係の不思議さを描いた映画。





みんな月でした。がまんの限界です。さようなら。
そんな置手紙を置いて失踪してしまった妻。
妻を失い、生きる気力を失くしてしまった、諏訪。

諏訪は、とても冴えない男である。
妻を失う前から冴えなくて、
失った後はさらに冴えない男になってしまった。
多分、生きるための全てを妻から与えられてきた男なのだろう。
生きる目的、生きる楽しみ、食事でさえも、
妻から与えられなければ生きてはいけない男になってしまっていたのだろう。
そんな抜け殻同然の諏訪の面倒を見る義弟のアキラ。
ヤクザ者であるにもかかわらず、
生きるための全てを与え、諏訪の面倒を見る。
彼がなぜ、こんなにも諏訪に親切なのか?
単に、義理の兄弟だから、というだけの理由ではない。
それは、妻の失踪に対して諏訪に負い目があるからだろうし、
そして、姉を愛しているからなのだろう。

最初は打算で諏訪に近づいた由美。
諏訪の退職金がないことを知ったはずなのに、計算が狂ってゆく。
退職金を狙っていた自分を諏訪は見捨てなかった。
汚れてしまっている自分という存在をさらけ出されても、諏訪は見捨てなかった。
そして訪れる、なにもないけど平穏な日々。
諏訪にとって由美は太陽であり、由美にとっても諏訪は太陽なのだろう。

映画のラストで分かる、アキラと諏訪の妻の関係。
アキラにとって姉は太陽であり、姉はアキラにとっては太陽なのだ。
しかし、別れなければならない。姉弟だから。
だから自首して未練を断ち切りたかった。
けれど、苦しい。別れがとても苦しい。
姉はいつまでも弟を待ち続けるのだろうか?

諏訪は最後に由美のもとを去ろうとする。
こんなくたびれた男と暮らしても、
将来に幸せはない、と考えたのだろう。
しかし、それを必死に追う由美。
年齢差、容姿、財産、そんなものはどうでも良い。
自分だって、ただのヤリマン女。
月だとか太陽とかの例えなんて、どうでもいい。
ただ、一緒に居て欲しい。
そう思える相手こそが、太陽なのだろう。

映画の冒頭、妻に去られた諏訪には苦しみがない。
なぜなら、諏訪にとって妻は太陽ではなかったから。
しかし、由美にとっての諏訪の喪失、諏訪にとっての由美の喪失は、
まったく意味が違ったのだろう。


自分にとっての太陽となりうる存在。
それは、容姿や持っている財産などとは無関係。
そして、自分にとっての太陽を見つけ出せた人は幸せであり、
決して手放してはいけないのであろう。
しかし、人は簡単に、そんな過ちを犯してしまう。
自分にとっての太陽を探し、その大切さを再認識した人々。
男と女の関係の不思議さを描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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