そして、ひと粒のひかり  
2010.03.04.Thu / 17:24 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






まだ、世界というものを知らなかった少女。
閉鎖的で貧しさに困窮した今を疎み、
悪いと知っていても犯罪に手を染めてしまう。
祖国を離れ、親元を離れて、分かった事。
そして、新しい命との出会い。
それらが彼女を変えてゆく。
彼女が最後に選択した自身の道。
コロンビアという国の悲惨な現状を描きつつも、
一人の少女の成長と目覚めを描いた映画。



世界というものを知らずにいた少女、マリア。
知識としては断片的には、知っていたのだろう。
しかし、経験としては知らず、
実感としては捕らえてはいなかったのだろう。

家族の為に自分が犠牲に成ること。
自身の未来が家族の為に閉ざされていること。
しかし、家族への愛情。
閉鎖的で寂れた町。
楽しいことがあるにもかかわらず、つまらない日常。
きっと、マリアは何かを求めている、しかし、
何を求めているのかが分からないので、日常を閉鎖的に感じ、
身の回りに無いものを自身の人生に欲したのだろう。

そんなマリアに転機が訪れる。
嫌でたまらなかった工場を辞める。
つまらないと嫌っていた恋人と別れる。
そして、うざいと感じていた家族が住む家を出る。
妊娠は単なるきっかけに過ぎなかったのだろう。
妊娠をきっかけとして、日常を捨て去ったマリア。

麻薬の売人達は、マリアには強制はしない。
しかし、マリアの欲しいものを知っている。
だからこそ、柔らかな物腰でも、マリアを自由に操ることができる。
本当は上手に操られているにもかかわらず、
自分の意志で、犯罪に手を染めたと思わせることが、
彼らのやり口なのだろう。

マリアたちは犯罪に手を染めるとはどういったことなのか、
想像はしていたのだろう。
しかし、実際に手を染めてみて実感する緊迫感。
そして、自分たちは、単なる道具、捨て駒であることを思い知る。
確かに、今、見知らぬアメリカの地で、
彼らから逃げ出すのは得策ではない。
しかし、直感でマリアは理解したのだろう、
彼らからは逃げ出すべきであると。

逃避行の最中に見つけた、自身の人生の光。
おなかの中で育っている、新しい命。
その命との出会い。
この時に魅せる、カタリーナ・サンディノ・モレノの
喜びの表情が神々しい。

何を求めているのか分からずに、日常を嫌っていた。
しかし、異国の地で感じる家族との絆。
そして、新しい命との出会い。
最後に取ったマリアの決断。
新しい命の為に、そして、
犯罪者たちから逃げる為に、故郷を捨てること。
見知らぬ異国での生活は、決して楽なものではないはずだ。
今まで以上に犠牲にしなければならないことも多くなるかもしれない。
それでも、守るべき者を得たとき、母親は強くなれるのだろう。

コロンビアという国の悲惨な現状を描きつつも、
一人の少女の成長と目覚めを描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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