サマーウォーズ  
2010.04.29.Thu / 18:17 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




大丈夫
あなたなら
できる


人類に訪れた絶滅の危機。
その危機に対して、合戦を挑む若者たち。
それを支え、励ます大家族の絆。
そして、全てを統率しているのは、
大おばあさんの大きくて暖かくて真っ直ぐな想い。
サイバーテクノロジーなどの現代世界的な設定と
昔ながらの大家族の風景、
田舎の真夏の独特な雰囲気が見事に融合された映画。
そして、暖かなシーンに満ちている映画。



引っ込み思案で押しが弱そうな青年、健二。
彼は、今一歩で数学オリンピックの代表選考に漏れたという、
すごいのだけれども、彼らしいといえば彼らしい経歴の持ち主。

健二が夏休みに、そうとは知らずに引き受けてしまったアルバイト。
そんなアルバイトの中で知る、大家族の暖かさ。
見知らぬ人が沢山いて気を使うというのも確かなことなのではあるが、
誰もが気さくに自分という存在を受け入れてくれるというのも、
健二にとっては楽しかった経験なのだろう。
警官に連行される時に、栄おばあさんに言った台詞。
「こんなにたくさんの家族でご飯食べる事なかったんで、
 とても嬉しかったです」
とても場違いな言葉ではあるが、だからこそ、彼の本当の想いなのだろう。
佳主馬にとって、OZは単なるゲームではない。
それは、いじめられ子だった自己を確立させるための手段。
そこで、誰にも負けないことこそが、
自己を確立させることにつながるのだろう。
OZの中の戦いは、いわば自分の為の戦いなのだ。
健二が皆のために戦おうとよびかけた時はまだ、
曖昧だったのかもしれない。
しかし、ラブマシーンがカウントダウンを開始した瞬間、
今まで自分だけの為の戦いだったはずなのに、
強く現実を意識せざるを得なくなる。それは母とまだ見ぬ妹の命。
だからこそ、佳主馬は敵わないと分かっていても、必死に、
巨大に膨れ上がったラブマシーンに戦いを挑んだのだろう。

初恋にも似た感情を叔父に持っていた夏希。
しかし、叔父の隠された想いをパスワードで知った時、
憧れだったはずの存在は、
一人の人間として、認知されだのだろう。
そして、それを知った時、夏希もまた、
大人への第一歩を歩むことが出来たのだろう。

妾の子供だった侘助。
このような大家族に、そして栄おばあさんに育てられたにもかかわらず、
どこか、ひねた感情を持つ男。
多分、これは周りが彼を差別したからではないのだろう。
自分が自分にコンプレックスを持ったからなのだろう。
栄おばあさんを愛している、だから周りに自分を認めさせたい。
それはコンプレックスを抱えた自分を納得させることができる唯一の方法。
そんな思いで創り上げたラブマシーン。
大金を稼いで誕生日のお祝いにする侘助。
しかし、本当に栄おばあさんが欲しかったものは、
そんなものでは無かったのだろう。

最初は、傍観していたOZの住人たち。
キング・カズマが最初に負けた時も、心無い書き込みをしていた彼ら。
しかし、夏希が花札勝負で追い詰められた時、
多くの人々が自身のアバターを夏希に託す。
多くの人々が一体になった瞬間、それは、とても幸せな風景。

最初のOZの混乱の中、電話一本で戦いを挑んだ栄おばあさん。
そして、身内の不始末は身内で方をつけろ、と激を飛ばす。
そんな、おばあさんに感化され、合戦を始める健二。
男達が楽しそうにそれに従い、
女達が疎ましそうに葬式の準備をする。
それも大家族というものの日常風景なのだろう。
最後の戦いに皆で腹ごしらえをする風景も、幸せに満ちている。

若者4人が、それぞれの想いを胸に戦いに挑む。
それを支える大家族の絆。
そして、彼らの精神的な支えは、栄おばあさん。
おばあさんは常に彼らの中心にいる。
そんな彼らの暖かなシーンに満ちている映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.788 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.