会社物語 MEMORIES OF YOU  
2010.05.13.Thu / 22:07 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






誠実に、会社一筋に生きてきた男。
そんな男が遂に定年を迎える。
長年、会社に尽くしてきた、しかし、
彼なしでも会社は動く。
そして彼に陰口を叩く上司。
世渡り下手の為に定年後の人生設計も分からない。
しかし、彼を慕う女性事務員。
そして、二人だけの送別会を開いてくれた女性。
同僚たちで演奏したジャズ。
会社にすり減らされてしまった人生。
犠牲にしてしまった家族。
しかし、今の日本を創り上げたのは、まさしく彼ら。
自身の人生の意味を見失っていた男。
そんな男に寄り添い包み込むような暖かさを持った映画。



定年を間近に控えたサラリーマン、花岡。
不器用で世渡り下手、
けれど、実直に誠実に会社を長年勤め上げてきた男だ。
長距離通勤に疲れ果てた背中。
自分が居なくても会社は動く、
自分が居なくなっても、多分なにも変わらないだろう。
偶然耳にした自分の陰口。
送別会さえ開いてはもらえない。
世渡り上手は天下り先をすでに見つけているのに、
定年後の人生設計も、分からないでいる自分。
ままならないのは自分の未来だけではなく、
長男の人生も将来も、また不透明。
それは家族を犠牲にしてきたツケなのか?
けれど家族は、自分が如何に家族の生活の為に、
がんばってきたかを分かっているのだろうか?

定年という期日を突きつけられて、
花岡は、自身の人生の価値というものを
考えざるをえない状況に追い込まれている。
しかし、生きてきた自らの人生に、
価値を見つけることができないでいるのだろう。
自分から会社が無くなれば、
どうやって生きていけばいいのだろうか?

けれど花岡は気づいてはいない。
自身に向けられている暖かな眼差しを。
花岡のしぐさ、人柄、仕事振り。
実直に生きてきた花岡を見てきた人々は確かに存在する。
会社にも、職場にも、家庭にも。

ジャズは単に彼らの趣味ではない。
同じ時間、同じ場所を共有した者たちの、心のよりどころ。
最後に渾身の力を振り絞って
自分の帰りを待っていてくれた仲間と共にジャズを演奏する。
自分にだって、仲間もいれば見送ってくれた人もいる。

今までは、世渡り上手な奴らに気後れしていた。
羨ましいとすら感じていた。
しかし、奴らと自分は生き方が違うのだ。
最後にそんな誇りを取り戻した花岡。
出世の為に西山さんを振った男をぶちのめす。

実直に誠実に会社を長年勤め上げてきた花岡。
だからこそ、花岡には幸せになって欲しい。
そんな願いが、かなえられるラスト。
未だ花岡の未来は不透明とはいえ、
花岡は精神的に救われたのだろう。

実直に誠実に会社を長年勤め上げてきた男。
そんな男に寄り添い包み込むような暖かさを持った映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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