愛おしき隣人  
2010.05.27.Thu / 17:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




ラストオーダー、明日があるよ!


明日、自分たちの人生に何が起こるのか。
それを知っている人はいない。
夢のように素晴らしい事が起こるかもしれない。
夢のように悲惨な事が起こるかもしれない。
それは誰にも分からない。
だから明日を、人生を、悲観したくなる。
けれど明日を、人生を、素晴らしいと期待することができるのだろう。
人が見る夢。
そんな夢を通しての人生観を描いた映画。

最初のシーンから、ロイ・アンダーソンらしさ全開ではあるが、
以前と比べ、閉塞感、絶望感が薄くなり、
変わりに、人々に向ける眼差しが暖かくなった気がする。
そんな不思議な暖かさが感じられる映画。



悲劇は突如としてやってくる。

儲けた金が入った財布を盗まれる。
息子に金策をせがまれる。
テーブルクロス引きを失敗して死刑を宣告される。
差し出した花束を手ひどく拒否される。
突然、坊主にされてしまう。
会議中に社長が死亡してしまう。
突然やってくる悲劇は、あたかも夢のよう。
だからこそ、悲観にくれる。
人生に絶望したくなる。
自分の人生に悲惨なことが起こるに違いない。
それは今すぐにもでも。
隣にいる人々は、あまりにのん気。
こんな危険が人生にあることを、ちっとも理解していない。
だから思ってしまう。
自分の気持ちなど、誰も何も分かってはくれない。
もう、こんな世界はうんざりだ。
そう、悲観したくなる。

けれど、自分の不幸なんて、
他人から見れば不幸とは呼べないのかも知れない。
もしかしたら、笑い話になってしまうのかもしれない。
現に、この映画で描かれた不幸を見て笑った人もいるはずだ。
深刻に思えるのは本人だけなのかもしれない。

けれど、人生は悪いことばかりではない。
何が起こるか分からない、自分たちの人生。
だから、夢のような事だって起こるかもしれない。

憧れていた人との結婚。それを祝福してくれた優しい人々。
現実とは大きく違うかもしれないが、
そんな幸せが明日、起こらないとは限らない。

「ラストオーダー、明日があるよ!」
最後に、この街にやってくる爆撃機の大編隊。
だから、本当に明日があることだって分からない。
けれど人生は回っていく。
そしてこの映画も最初に還ってゆく。
爆撃機の大編隊も誰かの見た夢なのかもしれない。

人が見る夢。
そんな夢を通しての人生観を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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