夏時間の庭  
2010.07.22.Thu / 22:25 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






その人にとっての大切な思い出。
そんな想いが詰まった数々の品。
それらを永久に留めておきたいと願っても、
永久に残るものなど、この世界には存在しない。
時の流れには誰もがあらがえない。
失ってしまうことはとても寂しい。
けれど、大切なものであるのならば、
心の中にだけでも、留めておくことは可能なのだ。
そして、それを今後の自らの人生の糧にすることも。
大切な思い出との付き合い方を描いた映画。


国宝級の美術品が飾られている屋敷。
そして、それは家族にとっては大切な思い出が詰まった屋敷。
だから、大切に扱いたい。
いつまでも、そこに置いておきたい。留めておきたい。
しかし、それは不可能な願い。
生き方が変わり、人生も変わる。
それにより、使用されなくなった物は、いつかは朽ちてゆく。
物は人々に便利に使用されてこそ輝くのだろう。
美術館に預ければ、専門家が修復しケアしてくれる。
だから、その形と美しさを留めておくことができる。
けれど、生活感がなくなってしまった、それら美術品は、
閉じ込められて死んだように見える。
所詮、それらは自分が大切だったものの、一部でしかない。
一部のみを取り出しても完全な姿とは、なりえない。

実は、母親が死んでしまい、あの家に住まなくなった時点で、
大切なものは失われていたのだろう。
一部でも欠ければ、それは大切なものではなくなってしまうのだから。
しかし、懸命にそれを留めようとした長男。
それは大切なものを永遠に失うことへの恐れであり、
自分が、もしかしたら、
とりかえしのつかない過ちをしているのではないかという、
焦りや戸惑いなのだろう。
しかし、一旦失ってしまったものは取り返すことは、
出来はしないのだろう。

屋敷で最後の夏を過ごそうとする娘。
その娘が亡きおばあさんから聞かされていた昔話。
屋敷も家具も無くなり失われてしまったと思われた大切なもの。
しかし、そんな娘の思い出の中に、彼女たちの大切なものは、
形を変えながらも息づいているのだろう。


その人にとっての大切な思い出。
そんな想いが詰まった数々の品。
それらを永久に留めておきたいと願っても、それは不可能な願い。
失ってしまうことはとても寂しいけれど、
心の中に、留めておくことは可能なのだ。
そして、それを今後の自らの人生の糧にすることも。
大切な思い出との付き合い方を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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