2010.08.05.Thu / 16:09 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






いろんな夢を諦め仕事にのみ実直に生きてきた男。
そんな男が定年最後の日に犯してしまった、
彼にとっては最初であろう遅刻。
その後に知り合った人々、めぐり合った出来事。
そして知ったこと。
人生の可能性。自分自身の可能性。
何もしないで諦めるには早過ぎる。
失敗をしてしまっても、まあ、人生は何とかなる、動いてゆく。
そんな心情で行動することで、開けてゆく彼の未来。
そして、この映画から感じられる、主人公に対するまざなしの暖かさ。
そんな暖かさが印象深い映画。


定年退職まじかの鉄道員、ホルテンさん。彼は社交的な場が苦手な男だ。
だからと言って別に冷たい男ではない。
とても暖かな人間であり、どちらかと言えば、
自分を殺して生きているように感じられる人だ。
だから華やいだ雰囲気で自分をさらけ出すことができないのだろう。
定年最後の日に思わぬアクシデントにより、遅刻をしてしまうホルテンさん。
この、彼の人生最大の失態に、ホルテンさんは、その場を逃げ出してしまう。
こんなはずではなかった、と後悔しても後の祭り。
一人、自分の家のベットで一日を過ごしてしまうホルテンさん。
けれど、誰も何も言ってこない。咎めない。
前日に贈られた表彰のトロフィーも郵便で送られてきた。

この時ホルテンさんは、漠然と不思議に感じたのではないのだろうか?
実は規則なんて多少は破っても何とかなる、
何かに失敗しても人生は動いてゆく、ということに。

母親に面会に行き、母の夢、自分の諦めを思い出す。

レストランでは、突然男が逮捕される。
なにか重大な罪を犯せばあたりまえ。でも、まだ自分は捕まってはいない。
だから、自分の行いは今のところ、受け入れられているのだ。

ヨットを売りに出す。
売り手に巡り会うまでにさ迷った飛行場。
知らないとはいえ、滑走路でパイプをふかすという、
とても危険な行為を犯してしまったホルテンさん。
運が良かったのかもしれない。
それでも、まあ、なんとかなってしまった。

ヨットを売ろうとして、土壇場で逃げ出す。
多分、定年になったら売ろうと自分の人生の路線を決めていたのだろう。
けれど、感情的には売りたくは無い。
この頃から徐々に自分の想いでホルテンさんは自身の行動を決めるように
なってきたのだろう。

なじみのパイプ屋で店の主が死んだことを知る。
知り合ったばかりの男が運転の途中で死んでしまう。
多分、いつかは自分も死んでしまうのだろう。
けれど、
「人生は手遅ればかりだ。逆に言えば何にでも間に合う。」

ここが最後の居場所と決めれば本当に最後。
けれど旅の途中だと思えば、未来もまた、開けてゆく。

最後に長年の夢であったスキーのジャンプをする。
そして、好きだったであろう女性の元に帰ってゆく。

テーマ的にはとても分かり易い部類の映画かもしれない。
けれど、この映画の魅力は、ホルテンさんに向けられる眼差しの暖かさ。
そして、この暖かさが、この映画のテーマに説得力を与えている。
そんな暖かさが印象深い映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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