Love Letter  
2010.09.16.Thu / 21:28 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






亡くした者にばかり目を向けて、
失った時に心を捕らわれれば、
寂しさばかりが心に募る。
けれど、与えてくれた物、
大切だった時を思い出せば、
明日を生きる力になるだろう。

過去に振り向き、ある時は過去と戦い、
ある時は過去を懐かしく思う。
そんな過去との様々な付き合い方。
そして、様々な過去が自分に生きる力をくれる。

失った痛みを越えて生きる力を得た女性を描いた映画。


美しくも幻想的なシーンの数々。
青春時代の、ありがちなで、不器用な恋愛。
言葉にしてしまうと、この映画の良さが失われてしまうような、
儚いシーンの連続。
そんなシーンも見事な映画。
恋人を冬山の遭難で失った博子。
亡くなったことを認めるのが怖い。
もしかしたら、彼はどこかで生きていて、
もしかしたら、自分を見てくれているかもしれない。
恋人の死を認めたら最後、再会の機会は永遠に失われてしまう、、
博子は、そんなことに対する怯えを抱えた女性だ。

昔、彼氏が住んでいた場所に出してみた手紙。
返事は決して帰っては来ない。頭ではそう理解していた。
けれど、心のどこかで、返事が返ってくることを期待していたのだろう。
その手紙が恋人から来た者ではないことは、博子にだって分かっている。
けれど、彼の昔の住所から来た手紙は、
彼と何かしらの関係があるに違いない。
それはきっと、死によって引き離された自分と彼とを結ぶもの。
だから大切にしたかったのだろう。



手紙の送り主の正体も分かり、
彼の昔の初恋も知ることができた博子。
けれど、彼の過去を知っても、寂しさは消えない。
さらに多くを知りたがる博子。

果たして自分は、初恋の相手の身代わりだったのか?
最初のきっかけは、やはり初恋の相手に似ていたからなのだろう。
けれど、樹と博子が似ているのは顔だけ。
最初は初恋の相手を、博子に見ていたのかもしれない。
けれど、プロポーズの頃には、
博子自身を見るようになったのではないのだろうか?


最後には、恋人が遭難した山に挨拶が出来た博子。
彼が死んだことを受け入れた時、
彼女の心の中の彼が、生き始めたのだろう。
秋葉の台詞、「邪魔せんといて、今、いっちゃんええとこなんやから」
がなんとも言えず、すがすがしく響く。


この映画に登場する人々は、皆、様々な過去を持っている。
忘れていた初恋の思い出。
肺炎で亡くしてしまった父親。
友を、恋人を雪山で失ってしまった痛い思い出。

それら思い出は、
時に乗り越えなければならないものであったり、
かけがえのない大切な思い出であったり、
懐かしい記憶の一部なのであろう。

そして、付き合い方さえ間違わなければ、
きっと自分に、自身の未来を生きる力を与えてくれるはずだ。
それは大切な人を失った時でさえ。

失った痛みを越えて生きる力を得た女性を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.822 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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