ノン子36歳(家事手伝い)  
2010.09.23.Thu / 22:04 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人生を諦めてしまった女。しかし、
本当は、諦めきれないで、くすぶり続けている。
36歳は、諦めるには早すぎる年齢であり、
夢を始めるには遅いと躊躇してしまう年齢なのだろう。
そんな女がめぐり合う二人の男。
元夫が見せる過去の栄光、夢の世界。
テキヤの若者が見せる、純粋な愛情。眩しい夢。
結局、どちらも選ばなかった、選べなかったが、
最後に、もたらされる小さな幸せ。
信じてはいけない夢と、
信じてもいい純情を見た故に、
もたらされた幸せな想いなのだろう。
境遇は何も変わらない、けれど幸せを得た女性を描いた映画。



元アイドルで実家に居候しているノン子。
毎日をぐうたらと、何もしないで過ごしている女性だ。
元夫に裏切られたこと、他にも、
もっとノン子を傷つけたことがあったのかもしれない。
そして家族のノン子に対する無理解。
それらが、ノン子に生きる気力を失わさせているのだろう。
けれど、ノン子の心の奥底では、
過去に対する未練がくすぶり続けているようにも感じられる。
テキヤとしてノン子の住む町にやってきたマサル。
夢は世界に出ること、とは言っているが、
果たして、どのようにその夢をかなえるのだろうか?
様々な経験をしているはずなのに、とても現実感覚が薄い青年だ。

ノン子の住む町にやってきたもう一人の男、宇田川。
ノン子の元夫で、とてもイヤらしい雰囲気を持つ男。


宇田川から、もう一度の再起を誘われた時、
表面的には断ろうとしたのだけれど、
やはり、心の奥底では、過去の華々しい栄光を欲していたのだろう。
冷静に考えれば無茶な話だ。
けれど、簡単には拒否が出来なかったノン子。
それは、昔、肉体関係を持った男からの誘いでもあったからだろう。

最初は馬鹿にしていたマサルが、
しかし、純粋にヒヨコを売ろうとしている姿を見ていると、
もう一度、生きてみようという気持ちにさせられる。

けれど、最後には、また裏切られてしまうノン子。
格下だと思っていたバーの富士子にすら、
同情され、見下されていた事実を知る。


ヒヨコを売るために縁日の場所取りを無理やり取ろうとしたマサル。
それも、やはり、とても無謀な試み。


共に夢破れた二人。
落胆し傷心するノン子。
その後のマサルの行為は、ノン子に対する愛情表現であり、
純粋で真っ直ぐなのだか、それは、とても真っ直ぐすぎたのだ。

二人の夢が破れたのは、単に現実に対する認識が甘かったためだ。
だから二人で逃避行をしても、駄目なのだ。
いくらマサルが、このままどこまでも行こう、と誘っても、
現実的には、不可能なのだ。
そして、自分は、いつか、
この若い青年の夢をも潰してしまうのかもしれない。
ノン子はギリギリのところで、それに気づいたのだろう。

心の奥に、くすぶり続けた過去への栄光。
それは、無謀な夢だと思い知らされた。
だから過去を吹っ切れることも出来たのだろう。
そして、自分を慕ってくれた青年も、いた。
そんな事実が自分を幸せな気持ちにしてくれる。
境遇は何も変わらない、けれど幸せを得た女性を描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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