トイレット  
2010.09.30.Thu / 12:22 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




「モーリー」
それは魂を包み込むような
本物の暖かな響き


偽物と本物。
その境は明瞭な様でいて不明確。
世の中の常識や法律、規則に照らせば、
おのずと本物と偽物が見えてはくる。
しかし、その区別は本当に正しいのか?
実は、常識や規則を越えた所にこそ、
本物は存在するのではないのだろうか?

何かをしたいという意志。
自身を相手に伝えたいという誠意。
相手を理解し、相手を助けたいと願う真心。
そんな誠意や真心が本物を作り上げてゆく。
本物とは何なのか。それを教えてくれる映画。



母親が死に、バラバラになりかける3兄弟。
過去の失敗によるトラウマを抱え引き篭もっている長男。
人間関係を避け、日々が同じことの繰り返しと呟く次男。
変わり者で生意気な末娘。
そして、死んでいった母親が残した家と、センセイ。そして、バーチャン。
奇妙な四人の同居生活の中、各自が遭遇する、
本物と偽物、フェイクとリアル。

家族と暮らすことは、確かに煩わしい。
だからこそ、今までは避けてきた。
けれど、共に暮らすことは悪いことばかりではない。
バーチャンが焼いてくれた餃子の味。
それは、荒んだ気持ちを和らげてくれる、家族の味。

果たしてバーチャンは本当に家族なのか?
そんな疑問の中で、次男が知る本当の事。
昨日までは、そんなことを知らなくても、
何の問題もなく家族として生活できた。
だったら、これからも何の問題もない。
あんなに欲しかったプラモデルを諦めて、
バーチャンの為にTOTOを買った次男。
バーチャンのため息を消したかった。
そんな想いが本物の家族を創ったのだろう。


同級生の男子に本物を見つけたと思った末娘。
しかし、それはよく見れば偽者だった。
家族を侮辱されて、その誇りを取り戻したい。
それには、やりたいことを見つけて、それをトコトン遣り通し、
自分が本物であることを証明するしかない。
そして、それこそが本物を創りだすことに繋がってゆくのだろう。

過去の失敗に囚われた長男。
けれど、母親のミシンに出会うことで、
自分のやりたいこと、着たい衣服を見つけることができた。
自分がやりたい様にやりたいことをする。その第一歩を踏み出した長男。
それこそが、本物の自分なのだろう。


舞台に上がったモーリーの戸惑い。頭によぎる過去の失敗。
それを何とかしてあげたかったバーチャン。
発した言葉自身に深い意味はない。
もしかしたら。“COOL”は、落ち着け、と言う意味になるのかもしれない。
けれど重要なのは、バーチャンの想い。
その想いはモーリーには、しっかりと伝わったのだろう。
それこそが、本物の暖かな想いなのだろう。


たった一言しか発しない、バーチャン役の、もたいまさこさん。
けれど、彼女が素晴らしい。
表情だけで、その場の雰囲気を創りだす。
そして、一言の台詞に込められた深い想い。
その暖かさは、まさにフィルムに刻まれた奇跡の瞬間。
こんな瞬間が見たくて映画を見続けている。
そんな幸せな思いにさせてくれる、見事なシーン。


誠意や真心が本物を創り上げる。
本物とは何なのか。それを教えてくれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.826 / タイトル た行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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