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  闇の列車、光の旅  
2010.10.07.Thu / 22:40 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人は一人では生きられない。
他人との絆を持つことで、生きることが出来る。
それは、家族との間や犯罪者たちとの間に。
そして、恋人との間にも。

南米での貧困や危険さ。
国を捨てなければ掴めない未来。
想像をはるかに超える過酷で危険な脱出の為の旅。
しかし、それ以上に私に感じられたのは、
人は知らず知らずに絆を求め、
求めた絆が自身を動かし、
その人、自身の生き様を決めるということだ。

密入国の旅の中で巡り会った様々な人々。
そして、その人たちが選んだ絆。
選んだ結果としての、彼らの末路。
そんな彼らの、それぞれの末路が印象的な映画。



全ては仲間の為に。
強い団結力で結ばれているメキシコのギャング団、MS。
彼らの団結力が強い理由は、さまざまだ。
仲間が好きだから、というのも理由の一つだろう。
または、厳しい掟の為でもあろう。
そして、強く団結しない限り、生き残れないから、
というのも大きな理由の一つに違いない。
そんなギャング団のメンバーの一人、カスペル。
しかし、カスペルは掟に背いて、
一般の女性を愛し、結果、仲間に彼女を殺されてしまう。
彼は、この時、自分はどちらの絆を本当は大切にすべきだったのか、
迷い始めたのだろう。

列車で少女がレイプされそうになり、思わず仲間を殺害するカスペル。
確かにギャングとの絆は自分を守ってくれてはいた。
しかし、同時に自分の価値観をも束縛されてしまっていたのだ。
ギャング団の価値観についてはいけないと悟った時、
思わず、少女を助けてしまったのだろう。


未来を掴む為に知らない土地に旅立つ少女、サイラ。
見知らぬ土地には見知らぬ家族が暮らしている。
自分一人でも暮らしてはいけるし、アメリカにだって一人で行ける。
そう思っていた。
けれど旅の途中で知り合ったカスペルに魅かれるサイラ。
ガスペルとともにアメリカに行きたいと願った時、
そして、父親の死を知った時、
世の中には大切にしたいと思える絆があることを知ったのだろう。


まだ、幼いスマイリー。
世界を知らないままに、ギャングの仲間に誘われる。
ギャングに対する恐れなのか、憧れなのか、、、
彼らの言うなりにカスペルを追いかけ、殺してしまう。
スマイリーの選んだ絆の先には、更なる流血が待っているのだろう。


人は一人では生きられない。
他人との絆を持つことで、生きることが出来る。
そして、選んだ絆が彼らの運命を決めてゆく。
そんな彼らの、それぞれの末路が印象的な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.828 / タイトル や行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

ヤンさん、こんにちは!
昨年にもうご覧になってたんですね。

>人は一人では生きられない
特に彼らは、教育も受けてないだろうし(?)
手に職があるわけでもないし、
ましてや故郷を捨てたとなると、
誰かと絆を持っていないと、ただ心細いばかりだと思います。
ヤンさんの理論とは違った現実的な話になってますが・・・(^_^;

列車の上でカスペルは「生きるすべが無い」と言いました。
全ての絆を失い、そう思ったんでしょうね。

どんな絆を選んだかで、随分と運命が変わってましたね。
選択肢が少なくて、家族や恋人と幸せに暮らすと言う
それだけの事が叶わない現実なのが悲しかったです。

2011.06.13.Mon / 16:38 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

タイトルに魅かれて劇場で見ました。
確か、最初のほうでは、サイラは、
なぜ、アメリカの家族と暮らすのか、
一人でも生きていけるのに、、
みたいなことを言ってたと記憶しています。
それが、最後にはアメリカに着いた時には、
アメリカの家族に電話をしました。
サイラは、家族と暮らすことの大切さを
学んだのではないかと感じました。

スマイリーは、確かに寄らば大樹の木でしたね。
それは、それで、厳しい選択であり、
そうしなければ、生きていけないのでしょうね。

それじゃ、また。

2011.06.15.Wed / 23:51 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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また偶然にも移民が出てくる映画だった。(゚o゚) 3本連続☆ これは中米の本当に過酷で厳しい現実を見せる映画。 青春ラブストーリーの要素も加わってます。 監督:ケイリー・ジョージ・フクナガ 製作:...
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